奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その9

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その8」の続きです。

前回は破損していたネックヒール後部を再接着し、破損部分の繋ぎと補強として、ダボを入れる2つの穴をネックヒールの底に開けるところまでででした。2本のダボを入れるのは後回しにし、次は削り取ってしまったダブテイルの再生を行います。

それぞれの工程の説明を各写真の下にキャプションとして書きますね。

3710.jpg
削り取ってしまった部分の接着面を平らにします。一面を斜めに削っていますが、これは弦の張力でネックが前方に倒れる力が掛かった場合、接着面に掛かる力をなるべく軽減させるためです。

3711.jpg
削り取った部分の新しいピースを作りました。二面の接着面がピッタリと隙間が無いように加工します。

3712.jpg
二面の接着面がピタッと合うようにクランプで締めて接着します。

3713.jpg
接着完了です。

3714.jpg
まず接着した新しいピースをダブテイルの形に加工します。

3715.jpg
その後、繋ぎ目を強化させるため、二つのマホガニーのピースを接着します。削り取る部分に鉛筆でマークを付けました。

3716.jpg
削りが終了しました。

3717.jpg
両側とも削ります。

3718.jpg
ここでも接着面に隙間が無いように平らに削ります。

3719.jpg
二つのマホガニーのピースを接着します。

3720.jpg
接着が終了しました。

3721.jpg
再びダブテイルの形に削ります。

3722.jpg
削りが終了しました。

3723.jpg
元のダブテイルの形を再生しました。

3724.jpg
繋ぎ目がかなり強化されました。

ということで、ダブテイルは再生されましたが、まだこれで終了ではありません。繋ぎ目を更に強化させるため、もっと補強をします。それでは次回をお楽しみ!

続く。



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  1. 2017/09/18(月) 14:19:05|
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1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その8

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その7」の続きです。

前回は切り落とした指板の修復を行いました。次はいよいよ破損したネックヒールの修復を行います。

3704.jpg

亀裂から綺麗な形で割れたしまったので、まずは接着面に隙間がないようにクランプで締めて接着します。(下の写真)

3705.jpg

3706.jpg

接着が終了しました。隙間はありません。この亀裂の部分には後でラッカー液を塗ります。(下の写真)

3707.jpg

3708.jpg

ネックヒールの底面に2つの穴を開けます。穴はかなり深く開け、ここに後で2本のダボを繋ぎ、そして補強として入れます。(下の写真)

3709.jpg

ということで、今回はここまでです。次回は削り取ってしまったダブテイルの再生を行います。では次回をお楽しみに!

続く。



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  1. 2017/09/15(金) 13:46:50|
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1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その7

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その6」の続きです。

前回は破損したネックヒールをダブテイルジョイントから取り外すところまででしたが、ネックヒールの修復は後回しにして、今回は切り落とした指板の修復を先に行います。

どうやってもダブテイルジョイントの隙間が見つからず、苦渋の決断で15フレットから指板を切り落として隙間を見つけることにしました。14フレットのネックジョイントから切り落としてしまうと、切り落とした指板を繋ぎ合わせることが困難になるため、繋ぎ合わせが可能な15フレットから切り落としました。

それでは指板修復の写真を14枚掲載しましたので、それぞれの写真の下にキャプションとして工程の説明をしたいと思います。

3690.jpg
まず接着面が平らな MDF のピースを2個、指板の底面に接着します。

3691.jpg
MDF のピースの接着が終了後(乾燥後)、切り落とした指板をその MDF の上に乗せて接着します。まだ完全ではありませんが、切り落とした指板が定位置に固定されました。これで底面は平らです。

3692.jpg
指板の底面が固定された後は、今度は指板の上から2個の MDF のピースを接着します。MDF のピースで指板をサンドイッチにしました。

3693.jpg
2個の MDF のピースで指板を挟み、これで指板は固定されました。しかしこれは仮の固定です。繋ぎ目の隙間はちょうど切り落としに使ったノコギリの刃の厚さです。この隙間も後で修復します。

3694.jpg
指板の繋ぎ目には表側と裏側から MDF のピースを接着していましたが、裏側の MDF を取り除きます。表側から固定されているので大丈夫です。裏側の MDF をノミ等を使って削り取って表面を平らにし、繋ぎ目の両端にローズウッドのピースを繋ぎ、そして補強として埋め込みます。

3695.jpg
ここは機械が使えないので、ノミを使ってローズウッドのピースがちょうど嵌る溝を彫ります。溝の深さは指板の厚さの半分くらいです。

3696.jpg
指板の両端の溝が彫れました。ここに繋ぎ、そして補強としてローズウッドのピースを2個嵌め込みます。

3697.jpg
ローズウッドのピースを接着中です。

3698.jpg
ローズウッドのピースの接着が終わったら、上にはみ出ていた部分を削って全体の表面を平らにします。

3699.jpg
両端の補強だけでは十分ではないので、真ん中の部分にもローズウッドのピースを嵌め込みます。

3700.jpg
補強のピースが両方の指板にまたがるように、ダブテイルを少し削って指板がもっと露出するようにします。

3701.jpg
埋め込みが終了しました。

3702.jpg
次は指板上部の MDF を削り取ります。

3703.jpg
指板上部の MDF を取り除きました。これで指板の繋ぎ、補強は終了です。しかし、これで強く繋がっているわけではありません。最終的に、指板がトップに接着され、フレットが嵌め込まれてから一つの固定されたピースになると考えています。

それでは指板が繋がりましたので、次回からは破損したネックヒールの修復に取り掛かります。では次回をお楽しみに!

続く。



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  1. 2017/09/12(火) 12:11:31|
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1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その6

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その5」の続きです。

前回のネックの取り外しでは、やはり懸念していたとおり、ネックヒールに入っていた亀裂が完全に割れ、ネックヒールの後ろの部分が外れないままネックが外れました。残ってしまったネックヒールを外すのは至難の業です。Gibson はネックヒールの底の部分もサイドに接着されており、残ったネックヒールを左右に動かすことも出来ないので、たとえ熱い蒸気を接着部分に注入したとしても、後ろから押すだけでは外れそうにありません。

3685.jpg

ここでちょっと余談になりますが、この前もお話ししたとおり、7月下旬にパブでバッグを盗まれてしまいました。バッグの中には iPad も入っていて、その中には数百枚のギターの写真が入っていました。ちょうどこれから取り掛かるダブテイルに残ってしまったネックヒールの取り出し作業の写真も含まれていました。ということなので、どうやって取り出したかは文章で説明しますね。

ネックを取り外すには、ネックとボディーが接合されているダブテイルの下の隙間に熱い蒸気を注入し、接着面の接着剤を柔軟にします。そして接着剤がある程度柔らかくなった時点でネックを左右に動かし、同時にネック取り外し専用の治具を使って後ろからネックを前方に押し出します。ネックを後ろから押し出すだけでは不十分で、ネックを左右に動かすのは必須です。特に Gibson のギターは頑固で、Martin のギターのように簡単には外れません。

ネックヒールの底とボディーの接着面にナイフを入れて分離し、蒸気を注入して後ろから押し出すことを試みましたがビクともしません。かなり高温の蒸気をずっと注入し続けると、ギター自体に損傷を与えてしまうので、これ以上は無理だと判断し諦めました。

さて、どうしましょう。いろいろと考えた末、次のことを行うことにしました。それはダブテイルの凸の部分を 3分の2 を削り取ってしまうことです。全部削り取ってしまえば簡単に外れるのでしょうが、3分の1 残すことによって、ネックヒールが外れた後、削り取った部分を再生しやすくなります。残った部分が多いほど形状を整えやすいのです。もちろん、補強もします。接着面が 3分の1 に減れば外れやすいと判断しました。

ノミを使って 3分の2 を削り取った後、再度蒸気を注入しながら治具を使って後ろから押してみました。すると…

「外れた!!」

外れました!飛び上がるくらい嬉しかったです。もう後に戻ることは出来なかったので、本当にホッとしました。

3686.jpg

3687.jpg

3688.jpg

ご覧のように(下の写真)、ダブテイルの凸の部分は少し残してあります。ここに新しいピースを接着して再生させます。

3689.jpg


指板を切り落とし、ネックヒールも割れ、そしてダブテイルも 3分の2 削り取ってしまった最悪の状態になりましたが、これから修復に取り掛かります。それでは次回をお楽しみに。

続く。



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  1. 2017/09/09(土) 01:05:34|
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1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その5

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その4」の続きです。

さて、トップ上の指板を分離させたので(実際は今回か切り落としになってしまった)、次はいよいよネックの取り外しです。Gibson のギターは Martin に比べるとかなりネックが外しにくいです。その一因として、Gibson はネックヒールの底がボディーのサイドに接着されていることが考えられます。Martin の場合は、ネックヒールの底に凹みがあり、サイドとは接着されていません。個人的にも、ダブテイル部分がしっかりと接着してあれば、ネックヒールの底とサイドは接着する必要がないと思います。

3681.jpg

「その1」でも書いたように、ネックヒールに亀裂があります。これがとても心配でした。ネックを取り外す場合、ネックを前後に揺らすことはありません。もしそうすれば、亀裂を大きくしてしまうのは確実です。ネックを取り外しでは、ネックを左右に揺らします。亀裂がそんなに深くなければ、うまく全体が外れると期待していました。しかし、期待は完全に打ち破られてしまいました。亀裂はかなり深かったようです。ネックを左右に揺らし始めると、ネック前方だけが動き、亀裂を境に後方は全く動かないのです。とにかくネックは外さないといけません。下の写真のように、ネック前方だけが外れました。

3682.jpg

3683.jpg

ネックヒールの後方部分だけがボディーに残ってしまいました。これを取り外すのは至難の技です。蒸気を隙間に注入しても、左右に揺らすことが出来ません。ネック取り外しの場合、ネックを左右に動かしながら後ろからもネックを前方に押すのですが、ネックヒールの下、そしてダブテイルがしっかりと接着してあるので、後ろから押すだけでは外れません。

3684.jpg

困ってしまいました。どうにかして外さないといけません。いろいろと取り外す方法を考えました。

ということで、今回はここまでです。次回をお楽しみに!

続く。



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  1. 2017/09/02(土) 12:58:28|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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