奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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リペアーの本、「The Acoustic Guitar, Volume Ⅰ& Ⅱ」by Don E. Teeter

ロバートベン(ギター製作学校)時代、アコースティックギター・インストラクター、ジョン・ロイターのワークベンチにはいつも、2冊のリペアーの本が並べて置いてありました。本の名前は、「The Acoustic Guitar: Adjustment, Care, Maintenance, and Repair」と、その続編の「The Acoustic Guitar: Adjustment, Care, Maintenance, and Repair, Volume Ⅱ」。著者はDon E. Teeter (ドン・ティーター)氏。

ジョンは、「この本はオレのバイブルだ。」と、いつも言っていました。そして私達にも購入するように勧めていました。アコースティックギター専門のリペアーの本なのですが、ジョンはかなりこの本から学んだそうです。そして私も卒業後すぐに購入しました。

初版刊行は1975年でかなり古いのですが、内容は素晴らしいです。文字だけのページも多数ありますが、写真や図で詳しくリペアーの仕方が説明してあります。治具や道具の作り方も説明してあり、アメリカのギター製作・修理等の道具を販売している Stewmac も、この本を参考にして作ったと思われる道具をいくつか販売しています。

ただひとつ難を言えば、ネックのリセット(ネックを取り外して角度を変え、再接着する修理)の仕方です。現在は熱いスティームを使って接着剤を柔らかくし、専用の治具を使ってネックを外しますが、この本が出版された当時はその方法が確立されていなかったのか、やり方が違います。私が所有しているギルドの12弦ギターはネックのリセットが必要で、この本を買ってすぐにトライしてみましたが、ネックは外れませんでした。その代わりに、大きな傷を付けてしまいました。それから数年間放置し、結局ネックを外したのは、熱いスティームを使ったやり方が一般的に知られるようになってからです。

しかし、ネックリセットのことは別にして、内容は素晴らしいと思います。私もこの本でいろいろと勉強しました。ネットで調べてみると、今でも入手可能ですね。ただ表紙のデザインは変わり、ハードカバーではなく、ソフトカバーになっています。

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1975年に初版刊行の「The Acoustic Guitar」です。

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一冊目の裏表紙に掲載されている著者、Don E. Teeter 氏です。

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続編の「The Acoustic Guitar Volume Ⅱ」です。

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ハードカバーで、大事にしている2冊です。文字だけのページも多いですが、内容は濃いです。

本の中身を一部紹介します。

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ソフトカバーがアマゾンで入手できます。

 

ハードカバーは中古だったらあるみたいですね。

 

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  1. 2012/05/08(火) 14:15:16|
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私のギター製作の原点、「ロッキン f」の特集記事

私がギター製作家になろうと思ったきっかけは、ある音楽雑誌に、アメリカ・アリゾナ州にあるギター製作学校、Roberto-Venn School of Luthiery の特集記事が掲載され、それを友達が見せてくれたからでした。私が21才の時、確か1981年だったと思います。私にとっては衝撃でした。将来の仕事を決めていない時で、この記事を読んだ瞬間、「これだ!」と思いました。しかし、当時は資金が全くなく、お金を貯めて渡米したのは1987年、そして学校に入学したのは1988年です。このことは、2年ちょっと前の記事、「Wade Instrumentsの上田洋一氏」にも書きましたので、参照して下さい。

その雑誌の中では3人の日本人の方々が製作を学ばれており(実際は、前のクラスの日本人の方も写っていますが)、Wade Instruments の上田さん、シモギターズの志茂さん、そして3人目の方は、岡野さんです(上田さんと知り合いになってから誰なのか教えていただきました)。そして岡野さんとはフェイスブックで友達になり、その岡野さんとのやり取りの中で、その雑誌(ロッキン f)を保存されているということが分り、フェイスブックにアップロードして頂きました。31年ぶりに見る雑誌に大感激です。当時の衝撃が蘇りました。この雑誌が私のギター製作の原点です。岡野さん達の在学に時期は1980年で、バンダナを巻いてロングヘアーに髭を生やした方が岡野さんです。写真とレポートは志茂さんです。

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  1. 2012/02/26(日) 09:35:28|
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リンダ・マンザー氏の「森の中からジャズが聞こえる」

先日、matsuさんのブログ、超素人のギター製作"topics" を覗いてみたら、カナダの女性ギター製作家のリンダ・マンザー氏 (LInda Manzer) の本、「森の中からジャズが聞こえる」(フィルムアート社)のことが書いてありました。この本はリンダ・マンザー氏本人が執筆した本ではなく、彼女への長時間にわたるインタビューを基に、菊池淳子さんが訳し、編集したものです。96年に初版が刊行されたのですが、私はちょうどこの時、ビザ関係で日本にいる時で、たまたま読んだ新聞の中にこの本の宣伝が載っていて、すぐに購入しました。1日で全部読んでしまい、ギター製作に益々燃えたのをよく覚えています。それから14年間、読み返すことはなかったのですが、matsuさんのブログで紹介してあったので、もう一度読むことにしました。1回目に読んだ時と同じで、今回も1日で全部読んでしまいました。勿論、ギター製作にまた燃えてしまいました(単純なんです)。もっと早めに読み返すべきでした。これからは自分を奮い立たせるために、時々読み返そうと思っています。

この本は、マンザー氏の生い立ちから、ラリビー(Larrivee) 時代や個人製作家としての活動が綴られており、特にギター製作をする者にとっては、たいへん興味深い内容となっています。パット・メセニーとの出会い、彼のためのギター製作、そして彼からの注文の画期的で革新的なギター、「ピカソギター」の製作エピソードなど、もの作りに興味がある方は楽しんで読めるのではないでしょうか。matsuさんのブログにもこの本のことが書いてあるし、パット・メセニーのピカソギター演奏の動画が観れるので、覗いてみて下さい。因みに、ピカソギターのネック1本は、演奏時に顔の前にくるので邪魔で、後で切り取ったそうです。動画では、切り取った後のピカソギターを演奏しているようです。

残念なことに、この本は廃刊になっているそうですね。matsu さんのブログにも載っていますが、amazon で中古を購入できるみたいです。値段はちょっと高めになっているみたいですね。定価は1,854円(本体1,800円+当時の消費税3%)でした。

ところで、余談になりますが、私はアメリカにいた最後の年、91年に、諸事情で、日本に帰るべきか残るべきか、ちょっと悩んでいました。日本に帰らず、カナダにいるリンダ・マンザー氏のところへ行って、弟子の申し込みをしようかと考えたこともあります。厳密に言うと、ちょっとしたアイデア程度だったんですけど。なぜマンザー氏のところへと思ったかは、あまりよく覚えていません。ギター製作学校で学んだことだけでは十分でないという気持ちがあったので、だれかの弟子になった方がいいのではないかとも思ったりしていました。でもなぜマンザー氏だったんでしょうね。現実的には、カナダ滞在のビザもないので実現はしていませんが、後に読むことになるこの本の中には、マンザー氏は弟子は雇わないと書いてありました(笑)。

ということで、この本をまた読むきっかけになった matsu さんに感謝です。

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「森の中からジャズが聞こえる」の表紙です。

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表紙の裏では、パット・メセニーがピカソギターを持っています。彼の顔のすぐ下にあるネックは邪魔になるため、後で切断されています。

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本の最初の部分で、リンダ・マンザー氏がピカソギターと一緒に写った写真が載っています。

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本の中身です。作業中のマンザー氏です。本はたいへん読みやすいです。

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マンザー氏はフラットトップとアーチトップを製作しています。

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パット・メセニーとのスナップです。彼にはピカソギターを始め、数本のギターを作っています

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ピカソギターです。設計だけでも5カ月間を費やしたそうです。

  1. 2010/09/20(月) 02:18:41|
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「The Steel String Guitar: Construction & Repair」 David Russell Young 著

以前に書いた記事、「「完全なギター・リペア」 ヒデオ・カミモト氏著」と同様、私がギター製作で参考にして、たいへんお世話になった本がもう一冊あります。ギター製作学校を卒業してすぐに購入した David Russell Young の著書、「The Steel String Guitar: Construction & Repair」です。

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著者の David Russell Young 氏は、1960年代から80年代初めまで活躍した製作家なのですが、木の粉に対するアレルギーという健康上の理由で、製作活動からの引退を余儀なくされた方です。現存する Young 氏のギターは、同じく健康上の理由で製作活動を中止した、James Taylo rの70年代のギターとして有名な Mark Whitebook 氏のギター同様、希少な幻のギターとして高く評価されています。ところでこの二人、一時期同じ工房を共有したことがあります。

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この本の中からも参考にさせていただいた製作法がいくつかあり、「アバロニ・ストリップ製作 その3」の中でも触れたロゼットの作り方や埋め込み方はその一つです。

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Young 氏はネック補強材などで使用されるカーボン・ファイバーの先駆者でもあり、本の中でもその機能性,特性などについても語られています。Young 氏の作り方で面白いのは、ネックジョイントにダブテイルもボルトオンも使われないことです。ネックの下部のボディにはめ込む部分がなく、ネックをボディに直接、エポキシ樹脂の接着剤で接着されています。エポキシ樹脂の接着力は強力なので、外れる心配はないと言われています。

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Young 氏のギターはもう生まれませんが、この本で、現在でも製作家達に多大な影響を与え続けておられます。因みに Young 氏は現在、バイオリン等の弓の製作家として活躍されており、既に20数年のキャリアを積まれております。

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  1. 2010/08/03(火) 02:17:45|
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「完全なギター・リペア」 ヒデオ・カミモト氏著

私が初めて買ったギター製作関連の本の話です。

あれは確か1981年頃だったと思うのですが、ギター製作を学んでみようと決めてからしばらくして、あるギターを弾く友人宅で一冊の本と出会いました。本の題名は、「完全なギター・リペア」(オリジナルの英語名 Complete Guitar Repair)。著者は日系アメリカ人のヒデオ・カミモト氏。私はその本に釘付けになってしまいました。しばらくして、地元佐世保のある書店に入ってみると、なんとその本があるではないですか!まさかこんな専門的な本が、この佐世保にあるとは思いませんでした。勿論、すぐに購入しました。値段は2,500円だったと思います。

まだギター製作、リペアーの経験のない私は、これから進んでいこうと思う世界に夢を膨らませて、隅から隅まで読み尽くしました。今考えてみると、まだ製作の体験をしていない時ですから、本の内容を完璧に把握していなかったと思います。この本はアメリカのギター製作学校へも持って行き、今も私の作業場の本棚に置いてあります。今でも時々内容をチェックする時があり、最近になってやっと理解できたこともあります。

日本語訳版が今でも販売されているかどうか分りませんが、オリジナルの英語版(初版1979年)は現在でも販売されており、多くのギター製作家に愛読されています。そう言えば、以前の記事、「Wade Instrument の上田洋一氏」で紹介した大阪のWade Instrumentsのオーナーで、ロバート・ベンの先輩でもある上田さんも、彼のウェブサイトの中で、この本に刺激を受けてロバート・ベンに入学したと書いてありました。

購入してから29年経ちましたが、今でも役に立っているって嬉しいですね。この本の著者のヒデオ・カミモト氏には2001年に彼の工房で会いました。そのことについては、まだ別の機会にお話ししたいと思います。

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「完全なギター・リペア」の表紙です。購入してから29年経ちました。今でも時々読んだりします。

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著者のヒデオ・カミモト氏です。名前からも分るように、日系アメリカ人です。

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写真を興味深く眺めていたのを思い出します。

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昔は理解できなかった内容でも、後でわかったものも多々あります。

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裏表紙です。



  1. 2010/07/03(土) 02:13:23|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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