奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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「沖縄デー2017」にアコースティックギターで参加

既に2ヶ月経ってしまいましたが、6月24日(土)、毎年この時期に開催され、今年で9回目を迎える「沖縄デー2017」にアコースティックギターで参加したお話です。

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6月24日(土)、毎年この時期に開催され、今年で9回目を迎える「沖縄デー2017」にアコースティックギターで参加しました。 どういう経緯で参加することになったかと言うと、4月のある日、ギグ(ライブ)で一緒になったロンドン沖縄三線会のメンバーの方々から誘われたからです。「沖縄デー」で 演奏する中の一曲で、三線と一緒にアコースティックギターを弾いてくれないかということでした。依頼されたのはネーネーズの「ウムカジ(思影)」という曲で、仕事の忙しさ等を考えると、練習する時間があまりないと思い、即答はせず、曲を聴いてから返答すると答えました。

帰宅してから YouTube で曲を視聴してみると、なんと知っている曲ではありませんか!それも大好きな曲で、おまけにその曲が収録されたネーネーズの CD も持っていたのです!曲と名前が一致していなかったのです。昔から沖縄音楽は大好きで、ネーネーズの CD も何枚か持っていました。以前より三線とアコースティックギターは合うなとずっと思っていました。もちろん答えはすぐに決まりました。演奏したいという気持ちに駆られ、演奏の承諾をしました。

それからロンドン大学 SOAS (The School of Oriental and African Studies) 内で毎週土曜日に行われているロンドン沖縄三線会の練習に数回参加し、本番を迎えることになりました。

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下にある YouTube の動画がネーネーズの「ウムカジ(思影)」です。動画の題名が間違っていますね。曲はスローテンポで、三線とアコースティックギターの絶妙な音色の融合が素晴らしく、気持ち良く演奏することができました。



今回は三線との一曲のコラボだけでなく、ロンドン在住の日本人主婦で結成されているウクレレグループ「音音(ネネ)」とも一緒に演奏しました。

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ロンドン沖縄三線会メンバーのエイサーです。素晴らしいパフォーマンスでした。

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皆さんの三線の演奏も素晴らしい!

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沖縄空手の演技もありました。

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ロンドンの方々に沖縄文化を知ってもらうのは素晴らしいことだと思います。多くの方々が会場を訪れました。

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最後は会場のお客さんも参加してのカチャーシーで大盛り上がりです。

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沖縄のスパムおにぎりも美味しかった!

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今回は「沖縄デー」に参加して本当に良かったと思っています。本当に三線とアコースティックギターって合うんですよね。これをきっかけに三線とのコラボを始めたのですが、それはまた別の機会にお話したいと思います。



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  1. 2017/08/21(月) 01:47:36|
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九州・熊本大震災チャリティーコンサートにギターで参加

またまたブログの更新を随分とサボってしまいました。何か問題があったという訳ではなく、唯のサボりです。多忙という理由も無きにしも非ずですが、頑張って執筆の時間を取ろうと思えば更新も出来た筈です。仕事はずっと続けていますので、話のネタは沢山あります。更新をしていない間でも、アクセスをして頂いた方々には心より感謝します。

さて、今回のブログの内容ですが、ギター製作や修復の話ではありません。その話は次回より復活します。今回は2ヶ月半前の話になりますが、6月26日に行われた九州・熊本大震災チャリティーコンサートの話です。コンサートが行われた場所はロンドン西部の Ealing (イーリング)という地区にある教会で、和太鼓、フルート、バイオリン、合唱などの演奏があり、私も合唱グループにギターで参加しました。

合唱グループはロンドン在住の日本人女性の方々と、そのお子さん達です。ある日、合唱グループのメンバーの方から私に連絡があり、コンサートで一曲ギター伴奏をしてもらえないかという依頼がありました。多忙で練習時間も無いという理由で最初は丁寧にお断りしました。一旦は承諾して頂いたのですが、しばらくして合唱グループの指揮者の方からメールがあり、もう一度考え直してもらえないかと尋ねられました。すぐには返信せず、しばらく考えることにしました。

演奏する曲は一曲、震災支援の手助けにもなる、そして良い思い出にもなる。数日間いろいろと考えた末、コンサートに参加することにしました。練習時間はあまりありませんでしたが、そんなに難しい曲ではなかったので、どうにか役目は果たせたかなと思っています。そしてやはり参加して良かったと思っています。

下に動画のリンクを貼り付けますので、よろしければ観てみて下さい。練習の時はもっとベースラインを入れていたのですが、本番ではちょっと控えめにしました。演奏中、私は頭を左右に振っていますが、これは画面に映っていない右側にある譜面と、指揮者を見ているからです(笑)。失敗出来ないので譜面を見てしまいました。弾いているギターは奥村ギターです。

さあ、次回からは久々にギターの話です。



















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  1. 2016/09/11(日) 09:51:47|
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Bourgeois Guitars のイギリスでのリペアーを担当

今度から、アメリカのメイン州にあるギターメーカー、Bourgeois Guitars の英国でのリペアーを担当することになりました。この話は数ヶ月前に決まっていたのですが、この度、そのことをブログで報告することにしました。Santa Cruz Guitar Company のリペアー担当の話とほぼ同時期に決まったのですが、ブログにはまだ書いていませんでした。まだ書いていなかった理由は、当初、2本のリペアーがイギリスのあるギターショップから来ることになっており、それが届いてから発表しようかなと思っていたのですが、諸事情により、その2本がまだ届かないからです。しかし、既にリペアーを担当しているギターショップ、Ivor Mairants にある Bourgeois Guitars のギターのメンテナンス、セットアップを数本行っているので、今回ブログに書くことにしました。

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Bourgeois Guitars はギター製作家、Dana Bourgeois (デイナ・ブルジョア)氏が率いるギターメーカーで、Bourgeois 氏を筆頭に、10人程のスタッフで年間400本近くのギターを製作しています。トラディショナル・スタイルを基本としたギターで、数多くの有名ミュージシャンが愛用しています。



ちょっと余談になりますが、Bourgeois 氏の名前を日本語で「ブルジョア」と書きましたが、bourgeois という単語は元々フランス語で、日本語では「ブルジョア」と訳されているからです。しかし、日本のギター業界では「ブルジョア」とは発音せず、「ボジョア」と呼ばれているようです。外国語の日本語読みは、最初に発音した人の読み方が定着するようですが、「ボジョア」の方がオリジナルの発音に近いと思います。それならば、「ブジョア」と発音した方が、もっとオリジナルの発音に近いと思うのですが...。

Dana Bourgeois 氏の存在は、彼が Bourgeois Guitars を設立する前から知っていました。1970年代後半から80年代に掛けて、ギタリストの Eric Schoenberg 氏と Martin 社と共に、OM スタイルを基本としたギターを共同開発し、1986年に Eric Schoenberg 氏と共に、Schoenberg Guitars を設立されました。その後、1993年に Bourgeois Guitars をスタートさせています。

Bourgeois Guitars にはいくつかのシグネチャーモデルがあり、Ray Lamontagne や、Ricky Skaggs のモデルがその代表的なものです。





ということで、アメリカンギターの代表的なメーカーのひとつ、Bourgeois Guitars の仕事に携わることが出来て、本当に光栄だと思っています。しょっちゅう仕事が入るわけではありませんが、少しでもお役に立てれば幸いです。頑張ります。

それでは次回は、Bourgeois Guitars のギターの特徴を紹介したいと思います。他のトラディショナル・スタイルのギターとはちょっと違うところが興味深いです。



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  1. 2015/10/26(月) 00:02:43|
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ビンテージギターショップのリペアーにカバーとして入る

日本人ギター・テクニシャンの SW 氏より連絡があり、あるバンドのツアーにギター・テクとして同行するので、留守の間、彼がリペアーを行っているギターショップにカバーで入ってくれないかという依頼がありました。期間は週一回の5週間ということでした。勿論オッケーの返事をし、10月13日(火)がその第一回目でした。

そのショップは Andy Baxter Bass & Guitars という所で、置いてあるギター、ベースは全てビンテージです。元々オーナーの Andy がベースプレイヤーなので、取り扱っている楽器の70%がエレキベースで、20%がエレキギター、そしてアコースティックギターは10%だそうです。顧客にはプロのミュージシャンも多く、ショップに入るにはアポが必要です。

仕事の内容は、入荷した楽器を検品し、悪いところがあれば修理するということです。全てビンテージ物なので、エレキベース、エレキギターは、パーツをばらし、ピックアップ、ポット、スイッチ等、全て取り出して写真撮影をしなければなりません(ウェブサイトに掲載するため)。そして全てが機能しているかのチェックも必要です。細かい情報をお客さんに提供しなければならないのです。

私はアコースティックギターが専門なのですが、リペアーをする場合はエレキギター、ベースもやっているので、専門分野ではありませんが、とにかくやるしかありません。

初日の朝は、とにかく遅刻したくないので、1時間半前に自宅を出発しました。1時間半もあれば十分だろうと思っていたのですが、これが甘い考えでした。バスで通勤していたのですが、ショップに行くコースの道路がずっと片側一車線なので優先バスレーンが無く、ずっと渋滞なのです。段々焦ってきました。初日なので、どうしても遅刻はしたくありません。運良く、途中に地下鉄の駅があったので、バスを降り、電車に乗ることにしました。地下鉄の駅から地上に出て、徒歩で10分以上は掛かるショップまで早歩きで向かいました。歩いている途中で気づいたのは、体の上半身が15度ほど前に傾いていることでした。遅刻をしてはいけないという思いが、体を自然に前に傾けさせていたのだと思います。100メートル走じゃあるまいし、体を前に傾けても早く着くわけではないんですけどね(笑)。

そしてショップには3分前に到着しました。セーフです。

下の写真がワークベンチです。

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チェック待ちのギター、ベースが並んでいます。左側の楽器から始めるのですが、私がアコースティックギター専門だということで、2本のアコースティックギターが一番手前に置かれていました。オーナーからもアコギ2本を先にやってくれと指示されました。

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まず1本目は Gibson の J-200 です。1970年製です。私も大好きなモデルです。さて、問題は何かあるのでしょうか?

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問題は、ネックの若干の逆反り、2ヶ所ほどのフレットの高さの不揃い(弦のビビりがある)、そして弦高がやや高めということでした。トラスロッドを若干緩め、張ってある古い弦が極端に細いウルトラライトケージ(.010-.046)だったので、新しく張る弦はもうちょっと張力のあるライトゲージ(.012-.054)を張り、ちょうど良いネックリリーフのネックに調整しました。

そして高くなっている12、13フレットの部分的擦り合せをして高さを調整しました。これで弦のビビりは無くなるはずです。

下の写真では分かりにくいかもしれませんが、全てのフレットの頂上が平らになっており、綺麗なカマボコ型の形状になっていません。前回の擦り合せがその時点で終わっているようです。

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12、13フレットの擦り合せが終了しました。この2つのフレットだけがピカピカというのもおかしいので、他のフレットもちょっと磨き、全部同じに見えるようにしました。

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サドルは若干削り、ちょうど良い弦高にしました。

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無事に1本目が終了しました。弦のビビりも解消し、弦高もちょうど良い高さでパッチリです。このショップでの最初のギターだったので、仕事前はちょっと緊張していたのですが、上手く出来てホッとしました。

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この Gibson J-200は、既にショップのウェブサイトに掲載されています。よかった下のリンクから覗いてみて下さい。
http://www.andybaxterbass.com/details.php?id=955

さて、ホッとしたのも束の間、すぐに2本目に取り掛かりました。2本目のアコギは、1972年製、Gibson の Dove です。下の写真がそのギターです。

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このギターもネック、フレット、弦高に問題があります。そして下の写真でご覧いただいても分かるように、ブリッジの左端が剥がれかかっています。

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サドルもちょっと変です。低音弦側の高さが高音弦側よりも低くなっています。逆にしてみたのですが、その方がバランスが良くなりました。もしかしたら、間違えて逆にはめられていたのかもしれません。

この Dove 修理を行っている最中、オーナーの Andy が誰かと電話で話す声が聞こえてきました。どうもこの Dove の話をしているようです。そしてしばらくしてオーナーが私のところに来て、Dove の修理はしなくてよいと言われました。何か訳があるそうですが、理由は後で説明するそうです。折角途中までやっていた仕事だし、どうしても終わらせたかったのですが、仕方ないですね。

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そしてこのショップのメインである、エレキベースの仕事が始まりました。

まず最初のベースは、Fender の Jazz Bass です。年代はちょっと忘れましたが、これもビンテージ物です。エレキ系の場合は、全てのパーツを取り出して写真撮影をしなければならないのですが、オーナーが既にパーツの写真を撮っていました。ちょっと手間が省けました。

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弦は最初から外してあったので、弦を張ったネックがどんな状態なのか分かりませんが、弦なしのネックはかなり逆反りしています。

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下の写真でも分かるように、ナットの1弦側が欠損しているので、弦を張ることが出来ません。来週新しいナットを製作することになりました。ということで、この Jazz Bass の修理はここまでということになりました。来週、ナット製作です。

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さて、Fender Jazz Bass に取り掛かっている最中、オーナーから店内の方に来るように言われました。オーナーは Fender の Precision Bass (おそらく1950年代製)を試奏中で、真ん中の2弦と3弦が12フレット辺りからハイポジション方向に向かって弦がビビると言うのです。そしてこれを今すぐに直せないかと問われました。大体の原因は分かっていたので、オッケーと返事をし、作業に取り掛かりました。下の写真がその Fender Precision Bass です。

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大体のビビりの原因は分かっていたのですが、やはり思ったとおりでした。ネックがかなり順反り(前に曲がる)していたのです。それも思った以上の反りです。これだけネックが反っていると、12フレット辺りは一番低い部分になり、最終フレットはかなり高いところに位置するので、弦が振動で最終フレットに触れるのは当たり前です。

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トラスロッドを締めてネックリリーフを小さくし、ブリッジでの弦高調整をしました。

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調整により、2弦、3弦でのビビリは無くなったのですが、1弦のハイポジションでのビビりが発生しました。フレットの高さをチェックしてみると、最終フレットの手前の2つのフレットが高くなっています。2つのフレットの高さを削り、ビビりを解消させました。

ここで気をつけなければならなかったのは、指板にマスキングテープを貼らなかったことです。通常、フレットの形状を整える場合、指板にキズ付けないように、指板上にマスキングテープを貼ります。しかし、このベースの指板はメイプルで、メイプルの指板にはラッカーが塗装してあり、長年の演奏でラッカー塗装が剥がれています。剥がれた部分は色が濃くなり、それがビンテージの味を醸し出しているのですが、マスキングテープを貼ってしまうと、剥がす時に残りのラッカーを剥がしてしまいます。それで面倒臭いですが、紙を置きながら指板にキズを付けないように作業しました。

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ビビりが解消したので、早速店内にいるオーナーのところまで持って行きました。オーナーはすぐに試奏を始めたのですが、ビビリも無く、弾きやすくて音も良くなったことを喜んでくれました。店内にいたプロのベーシス Ernie (ショップのため、店内の楽器を録音中だった)も褒めてくれました。喜んでもらえる仕事が出来て本当に良かったです。ホッとしました。

という感じで初日が終わったのですが、初めてのところだったので、ショップに到着する前はちょっと緊張していましたが、どうにか一日の仕事を終えることが出来て良かったです。さあ、来週も頑張ります!

最後に、ショップに私のことを紹介してくださった SW 氏に大感謝です。ありがとうございました!



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  1. 2015/10/18(日) 00:13:47|
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Thame(テム)という町のビンテージギターショップへ

先週の土曜日(10日)、オックスフォードの近くにある小さな町、Thame(テム)に行きました。目的はその町にあるビンテージギターショップに行くためです。ショップの名前は、Phil's Vintage Guitars です。

今月の初め、常連のお客さん(彼の4本目のギターを修理中)から連絡があり、Phil's Vintage Guitars に Gibson の L-00 が2本(両方とも1930年代製)あるのだが、どちらが良いかチェックしてくれと頼まれ、彼の運転する車で行くことになりました。私の意見を聞いて、どちらを購入するか決めたいということでした。ん~、これは責任重大です。

下の写真がそのギターショップです。元々この建物はトウモロコシの収納小屋だったらしく、歴史を感じる古い作りがビンテージギターとマッチしていました。ショップに滞在中驚いたことは、小さな町のギターショップなのに、お客さんの出入りが多いことでした。

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さて、お客さんが狙っている2本の Gibson L-00 ですが、まず1本目が下の写真です。値段は2,700ポンド(約496,000円)。お客さんが気にしているのは、ピックガードの上にある大きなキズです。下の写真ではその部分にライトが当たってしまい、あまりよく見えません。

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下にあるのはお客さんから送られてきた写真で、これを見ればそのキズがハッキリと見えます。このキズの部分には後からピックガードが貼られていたらしく、その後そのピックガードが剥がされ、ご覧のようなキズが付いてしまっています。お客さんはこのキズが修復可能かどうか私にチェックして欲しいのです。

最初にこの写真がメールで送られてきた時、とにかく実際に見てみないと修復可能かどうか分からないと返事していました。そして実際に見てみると、完璧に分からないように修復することは難しいですが、これよりはちょっとはマシに出来ると返事しました。拡大鏡を持っていなかったので、このキズは色が落ちてしまっているのか、それとも色の上に乗せてある透明ラッカーのキズなのかは、この時点では判断出来ませんでした。

もう一つのこのギターのトラブルは、12フレット手前辺りの3、4弦がかなりビビるということです。このトラブルの原因はすぐに分かりました。本来ならばアールになっていなければならないサドルの上部が、完璧なフラットの状態に削られていることでした(これは後から削られと考えられる)。指板はアール状になっているのに、サドルがフラットであれば、必然的に3、4弦はビビりやすくなります。もう一つビビりの原因として考えられるのは、ネックジョイント部分からフレットの高さが低くなっていないことでした。ネックリセットが必要なほどネックの元起きはしていませんが、ネックジョイント部分からフレットが徐々に低くなっていれば、弦のビビリはかなり解消出来ます。

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さて、下の写真がもう1本の L-00 ですが、これは1930年代製にしてはあまりキズもなく、ミントコンディションに近いビンテージ物と言って良いでしょう。値段は3,500ポンド(約644,000円)です。このギターもネックリセットが必要なほどネックの元起きはしておらず、弦のビビりも殆どありません。しかし、問題はありました。

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その問題というのが下の写真です。1弦と6弦の位置がかなり指板の端に位置しているのです。これは最初からこのように作られているようです。ブリッジピンの穴の位置が横に広がり過ぎています。これでは弦がフレットから落ちやすいです。昔のギターっていうのは結構大雑把に作られていることが多く、6個のブリッジピンの穴の位置も均一な間隔ではありませんでした。勿論これも修復可能です。

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下の写真でも分かるように、両方のギター共、過去にネックリセットが行われた痕跡はありませんでした。通常、Gibson のギターは、ネックとボディーが接合された後に塗装されるので、ネックとボディーの境目にはラッカー塗装が乗っています。

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ちょっとおまけですが、L-00 の2本に加え、ショップのオーナーが LG2 も見せてくれました(下の写真)。私としては、やはり L-00 の方が魅力的ですけどね。

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結局お客さんはどちらの L-00 にしたかというと、2,700ポンドのキズのある方です。キズがあり、おまけに弦のビビりがありますが、お金が節約出来る上、私が修復出来るのでこれに決めたそうです。勿論音色にも満足されていました。

早速購入後、2人で私の工房へ向かいました。拡大鏡でキズをチェックしてみると。白いラインは色が剥がれているのではなく、色の上に乗っている透明のラッカーが割れたキズだということが判明しました。これで修復はちょっと簡単になったかもしれません。

お客さんはこのままギターを私の工房に置いていってもよいと言われたのですが、折角買ったばかりなので、一週間ぐら弾いてから持って来ればと提案し、今度の日曜日に再び工房に持って来られることになりました。

ところで下の写真ですが、お客さんの自宅の壁に吊り下げられた1930年代の Kalamazoo by Gibson の2本ですが、両方とも私がネックリセットをしました。左が KG-11 で、右が KG-14 です。私が最初に修復したお客さんのギターは、今回購入した同じ Gibson の L-00 でした。その後他の人に売ってしまったのですが、やはり L-00 が再び欲しくなり、今回の購入となった次第です。

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さあ、来週からこの L-00 の修復が始まります。弦のビビりを直すことに問題はありませんが、塗装のキズは上手くいくように願っています。



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  1. 2015/10/15(木) 23:43:53|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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