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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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偽 Martin D-45 のその後

以前書いた記事、「とうとう遭遇したニセ Martin D-45」のその後です。

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無事に修理を終えた偽 Martin D-45 でしたが、品質は本物と比べると雲泥の差でした。本物の100万円以上の価値に比べると、この偽物は1万円ぐらいの価値しかないと思います。それほど酷いギターでした。見た目が安っぽいだけではなく、それぞれのパーツの機能性も悪く、前回にもお話していますが、ブリッジピンの1本が取り外し中に折れてしまいました。

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ネックのボディーからの元起きも大きく、弦高もかなり高くなっています。本来ならばネックリセットが一番良い方法なのですが、安価なギターの場合はネックが取り外しにくいものが多く、ギターの持ち主もリペアーに大金を叩く気は毛頭無いと思われます。サドルをギリギリまで低くして対応するしかありません。フレットの高さの不揃いもかなりあるため、弦高を低くすると、元々ビビっていた弦が益々ビビってしまいます。最初は部分的にやっていたフレットの擦り合わせも、結局全体的な擦り合わせになってしまいました。これは自分の判断で勝手にやってしまいました。

サドルは下の写真でも分かるように、かなり低くなっています。

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弦を張る時に分かったのですが、チューニング・マシーンも偽物です。裏に「GROVER」と書いてありますが、性能はかなり悪く、完全にコピー商品だと思われます。

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どうにか修理及びセットアップは終わったのですが、音質、弾きやすさ、全てにおいて、到底本物とは比べものにならない代物でした。

後日、仕上がったギターを取りに来た持ち主に応対したショップのスタッフから話を聞きました。支払いを済ませたギターの持ち主に、スタッフは偽物だということは全く口にせず、こう聞いたそうです。

「この Martin D-45 はどこで買ったんですか?」

ギターの持ち主はこう答えたそうです。

「これは妻から私への60才の誕生日プレゼントなんです。」

その答えに、スタッフはもう何も言えなかったそうです。もしかしたらギターの持ち主は、プレゼントされたギターが Martin D-45 の偽物だということは知っていたのかも知れません。これも憶測ですが、妻はギターの事をあまり知らず、偽物だということは分からないまま、夫を喜ばすために「D-45」をプレゼントしたのかもしれません。

この話を聞いた時、感動と共に、何か罪の意識を感じてしまいました。散々酷いギターだと言ってたわけですから…。もうこれ以上詮索しない方がいいと思います。ギターの持ち主が、そのギターを偽物かどうか知っていたかということはもう分からないでしょう。もうどうでもよいことになってしまいました。大切な事は、そのギターが妻から夫への素敵なプレゼントという事です。そしてそのギターを最高の状態に出来て良かったと思います。



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  1. 2015/06/29(月) 23:45:30|
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Gibson Guitar UK 訪問

先週の木曜日、ロンドンにある Gibson Guitar UK にお邪魔しました。

Gibson Guitar UK は私がリペアーをしているギターショップから歩いて5分ぐらいのところにあり、ランチタイムの時間を利用して行ってきました。以前は別の場所にあったのですが(これもギターショップから歩いて5分ぐらい)、去年の9月にこの場所に引っ越してきました。私はここで Gibson ギターのリペアーを担当しているサムとは知り合いで、以前から遊びに来いとは言われていたのですが、今回それが実現したわけです。

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中に入ると、一階にはオフィスや応接間などがあり、壁にはご覧のように Gibson のギターが飾ってあります。ここへは去年の9月に引っ越しているのですが、内装はまだ完全に出来上がっておらず、3人ぐらいの作業員が仕事をしていました。

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リペアーを担当しているサムから工房がある地下に案内されました。地下にも下の写真のように壁にギターが飾ってあります。

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地下にはパーティーなどが出来る広いスペースがあり、ご覧のようにライブ用のステージもあります。ここで Gibson のギターを使用しているアメリカやイギリスのミュージシャン達のエキシビションが行われるのです。

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ピアノの向こう側がリペアーの工房です。

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リペアールームです。まだ完全には出来上がっていないということで、機械などは置いてありませんでした。サムは週2回ここで働いており、殆どの仕事は簡単なセットアップのようです。彼は自分の工房も持っているので、塗装や難しい作業はそこで行っているそうです。

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サムの話では、45本のギターのセットアップが待っているらしく、リペアールームの外には、月曜日までに仕上げないといけない25本のギターが並べてありました。これって凄い数ですよね。よほど簡単なセットアップでない限り、短期間での25本はちょっと難しいのでは?と勝手に思ってしまいました。因みに、ここでリペアーをやっているのはサム一人です。

「俺にも仕事を分けてくれ!」と、心の中で叫んでしまいました(笑)。

2880.jpg

やはりあれだけの数のギターケースを見てしまうと、マジで Gibson の仕事をしたくなってしまいました(笑)。手がうずうずします。ところで、私のギターショップでのリペアーは週一回で、現在14本のギターが待っています。凄いプレッシャー!!!



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  1. 2015/02/22(日) 21:52:57|
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Collings Guitars のエレキ

昨日(21日)、久しぶりにロンドンで親しくしているギターショップ、「Ivor Mairants Musicentre」に立ち寄りました。中に入ると、一階に Collings Guitars のエレキが7本飾ってあるではないですか。最近、Collings Guitars ではアコースティックギターだけではなく、エレキも製作するようになり、本物のCollings のエレキを実際に見るのは、今回が初めてでした。Collings はマーティンを基本にしたアコースティックギターを製作していたのですが、その後、ギブソン系のFタイプとAタイプのマンドリンの製作を始め、今度はギブソンを基本にしたエレクトリックギターの製作を始めました。下の写真でも分るように、セミアコ、フルアコ、ソリッドと、ギブソンのモデルを基本としたデザインになっています。そしてこれがめちゃくちゃカッコいいのです(完璧に個人の趣味)。ギターは音が良くなければならないのは当たり前です。そのことをちょっと横に置いておいて、ギターはカッコよさが絶対に必要です。カッコいいギターだと、手にとって弾いてみようかなという気になります。私みたいなギター好き少年(?!)にとっては、これは絶対必須条件なのです。私は、これは売れるだろうなと思いました。実際に店の人に聞いてみると、最近では、Collings はアコースティックよりもエレキの方が売れているそうです。アコースティックギターだけの製作にとどまらず、エレクトリックギターを製作し始めた Collings Guitars には、ある意味感心させられます。でも人間も会社も、こうやって進化していかなければいけないんでしょうね。

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Collings のエレキです。ギブソンのES-335やレスポールなどを基本にしていますね。オリジナルに負けないほどカッコいいです(あくまでも私の個人的趣味です)。

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地下のアコースティックギターコーナーには、Collings のアコギが5本、壁に掛かっていました。

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この3人衆、なかなかいいですね。

  1. 2011/11/22(火) 12:55:30|
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TAB サムピックの性能の良さ

10月の記事、「雨の中、佐世保の島村楽器でサムピック購入」の中でも書いたように、サムピックを2個購入しました。そのサムピックの名前は、「TABスペシャル」。TABギタースクール主宰の打田十紀夫氏の監修により完成したサムピックだそうです。このサムピックの存在を初めて知ったのは、数年前、佐世保に帰省している時でした。友人宅にお邪魔している時に、その友人からこのサムピックを見せてもらいました。その性能の素晴らしさに感動し、早速購入してイギリスに戻りました。

このサムピックのどこが素晴らしいかというと、まず通常のサムピックと違い、2個のパーツからできているところです。ピックの部分とゴム製のベルトの部分があります。ベルト状になっているため、通常のサムピックで起こっていた、弦が内側に引っ掛かるということがありません。そして私が一番気に入っているのは、ピックの部分です。ピックに「コの字型」の穴が開いており、弦をストロークする場合、ピックの外側の部分がしなりやすくなっているのです。通常のサムピックはピックの部分が厚く、いくら自分でその部分を薄く削っても、親指に固定されているためピックがしならず、ストロークをする場合(特にアップストローク)、音が硬くなってしまいます。フラットピックでストロークをすると、ピックを持った親指と人差し指の力加減を調整することができ、あのシャリシャリのカッティングをすることができます。このTABサムピックは、親指に固定されていても、ピックの外側の部分がしなるので、フラットピックのカッティングとまではいきませんが、通常のサムピックよりはかなり柔らかいカッティングができます。

80年代の中頃だったでしょうか、ピックの部分が三角形のフラットピックの形をしたサムピックがありました。使ってみたのですが、なんかしっくりいかなかった記憶があります。やはり、ピックの部分はフラットピックみたいに薄くなっていても、親指に固定されているためだったのかもしれません。それからサムピックは使わなくなってしまい、ずっと何も使わずにギターを弾いていました。でもこのサムピックに出会ってからは、再び使うようになりました。1個しか持っていなかったので、10月の日本帰省で2個購入したわけです。定価500円で、通常のサムピックの5倍ぐらいの値段がしますが、それだけの価値はあると思います。

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お気に入りのサムピック「TAB スペシャル」です。10月の帰省で2個購入しました。

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今回購入したTAB のサムピック2個です。

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これは数年前に買ったTAB のサムピックです。ご覧のとおり、下がピックの部分で、上がゴム製のベルト型になっています。これで弦の内側への引っ掛かりが解消されています。

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右側の部分を見れば分かると思いますが、親指の大きさに合わせてベルトが調整できるようになっています。ピックの部分には、「コの字型」の穴が開いており、外側の部分がしなりやすくなっているため、フラットピックに近いカッティングができるようになっています。

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ベルトを外した状態です。

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これはダンロップ製のサムピックです。悪くはないのですが、ストロークには不向きですね。

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ダンロップ製サムピックの裏側です。ピックの部分を薄く削っているのですが、やはり親指に固定されているため、ストロークの音は硬いです。

  1. 2011/11/21(月) 03:42:12|
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独立後の注文第一号

ロンドンで親しくしている友人のRH氏。このブログでも過去に4回登場してもらってます。

友人のギブソン・ハミングバード
ギブソン・サザンジャンボの弦のビビリ
サザンジャンボの続編
3本目のギブソン・モンタナゴールド

過去の記事を読んでいただければ分かると思うのですが、RH氏はギブソン・ギターの大ファンで、サザンジャンボ、ハミングバード、モンタナゴールドの3本を所有されています。3本とも最近購入されたのですが、彼が4本目に選んだのが何とオクムラギターなのです。そうです。ギター製作家として独立してからの注文第一号をいただきました。嬉しいです。10月から早速製作に取り掛かろうと思います。

ギブソンファンのRH氏ですから、注文のカスタムギターはギブソンが基本になっています。しかし、それはあくまでもスタイルであって、中身はオクムラギターです。スタイルはほぼ90パーセント決まっているので紹介しますね。

ボディシェイプはJ-50やJ-45と同じSloped Shoulder Dreadnaught。いわゆる肩落ちのドレッドノートです。ボディ材は、トップがシトカ・スプルースで、バックとサイドがカナダ産のメイプルです。ヘッドはギブソンに似ているけど、オクムラギターのオリジナル。スケールの長さはまだ決定していませんが、おそらくギブソンと同じショートスケール。トップはハニーブロンドのちょっと黄色がかった色を付けて、バックとサイドには木目が透けて見えるワインレッドみたいな色を塗ります。ボディのパーフリングもワインレッドみたいな赤系の色を使用し、ヘッドにはRH氏デザインのオリジナルのインレイと、それに絡んでオクムラギターのロゴが赤い色で入ります。おそらく赤系の石を使用すると思います。あっ、それとネックですが、ボディと同じメイプルで、これにもワイレレッドの色を塗ります。指板のインレイはまだ決まっていませんが、赤い色の石を使用するかもしれません。

私は今まで、クリアーの塗装ばっかりしてきたので、今回の色塗りは楽しみです。RH氏から希望する色のギターの写真を頂戴したので、ここに紹介しますね。

いやー、楽しみです。RHさん、ありがとうございます!

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RH氏から頂戴した写真です。こんな色にして欲しいとのことです。

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RH氏所有のギブソンのギター群。奥からサザンジャンボ、ハミングバード、モンタナゴールド。

  1. 2011/08/11(木) 13:43:00|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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