奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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頂戴した端材を再利用

ネック材にはホンジュラス・マホガニー(ワンピースネック)を使用しています。

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ホンジュラス・マホガニーと言えば、近年の規制が厳しくなり、以前はアメリカから輸入していたのですが、今では殆ど不可能になってしまいました。イギリスでもホンジュラス・マホガニーのネック材は入手可能なのですが、ワンピース用のネック材を保有しているサプライヤーは少なく、現在お世話になっているロンドン郊外のサプライヤーは常時保有しているので助かっています。

先日、サプライヤーに材料を少し注文したのですが、ロンドンに用事があるということで、直接私の工房まで持って来てくれました。ネック材は1本(2本のネックが取れる)注文していたのですが、このネック材を製材する時に発生した端材まで持って来てくれました。サプライヤー側では端材はもう使えないので、私が何かに使えればと思ったそうです。

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ラッキー!

もちろん使えます。以前にもブログで書いたことがあるのですが、ネック材の端材は殆ど全てを再利用しています。サイドとトップ・バックを繋ぐカーフト・ライニング、サイドの内側に縦に接着する割れ防止のストリップなどです。

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今回頂戴した端材は殆どをカーフト・ライニングにしようと思っています。貴重な木材です。無駄なく使い、半永久的に生き続けてもらおうと思います。

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  1. 2014/04/20(日) 15:18:21|
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真っ黒でないエボニー(黒檀)

今日はエボニー(黒檀)の話です。

まずは去年 YouTube に投稿された Taylor Guitars の動画を観て下さい。



動画の中で語っているのはオーナーの Bob Taylor 氏、そしてエボニーのことについて語られています。もちろん英語で話されていますので、内容が理解出来ない方もいらっしゃると思います。それでは簡単に説明しますね。

エボニーは長年に渡り、弦楽器の材料として使われてきました。良質の材といわれるのは真っ黒なエボニーです。エボニーはインド南部からスリランカ、マダガスカル、アフリカのガボンやコンゴなどの熱帯雨林に生息している木材ですが、長年に渡る乱材で数が減少してしまい、これらの国々からは入手出来なくなってきています。そして今でも合法的に入手出来る最後の国がアフリカのカメルーンです。Taylor 社は約25年に渡り、カメルーンからエボニーを輸入してきたそうです。

2011年9月に Bob Taylor 氏がカメルーンに赴き、現地の下請け業者と話をした時のことです。仕事の調子はどうかと Taylor 氏が業者に尋ねると、以前は切り倒す木が道路脇にあったので運ぶのが楽だったが、今では良質と言われる真っ黒なエボニー伐採するには、密林の奥の方に何キロも入って伐採しないといけないので大変だということでした。黒色の中に灰色などの他の色が混じったエボニーは悪質の材料とみなされ、真っ黒なエボニーの5分の1ぐらいの値段でしか取引されないそうです。それでその良質と言われる真っ黒のエボニーかどうかを調べるにはどうしているのかと聞くと、まず木を伐採してみないと分からないということでした。一度に運ぶ6トン分のエボニーは2本で、その2本を得るためには何本のエボニーを伐採するのかと尋ねると、20本程伐採するということでした。つまり、あまりお金にならない残りの18本は、伐採されてもそこに放ったらかしにされるだけなのです。

そして Taylor 氏は決断します。伐採される全てのエボニーを同じ値段で買うと。業者が真っ黒じゃないよと言っても、Taylor 氏は構わないと。エボニーとしての機能を果たしてくれるのであれば他の色が入っていても構わないと。

簡単な訳ですが、つまりこれは、みんなの意識を変えるということです。真っ黒なエボニーが最高級だというみんなの意識を変えるということです。これから Taylor 社は真っ黒でないエボニーも使っていくそうです。私は素晴らしいことだと思います。

正直言って私にも真っ黒が良いという意識が以前ありました。でもその考えが徐々に変わり、先入観を持って物事を見てはいけないと思うようになりました。もちろん、真っ黒のエボニーを指板に使って欲しいというお客さんの要望があれば、それに応えるよう努力しますが、そうでない限り、真っ黒なエボニーにはこだわらないようにしようと思います。これって自分次第なのだと思います。真っ黒でないエボニーが美しいと思えば美しいのです。音には何の関係もありません。

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これは最近入手したエボニーですが、一番上のクラスを購入しました。と言っても、完璧に真っ黒というわけではありません。しかし、仕上げで表面を滑らかにし、塗装などを施すと殆ど真っ黒に見えます。

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いわゆる真っ黒と言われるエボニーです。この真っ黒のエボニーのために乱材されると聞くと心が痛みます。考えを変えないといけません。どうしても真っ黒が欲しいのであれば、真っ黒に染色することも可能なのです。

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このフレットスロットの切り込みがある指板は、20年以上前、まだ私が十分な機械や道具を持っていなかった頃に購入したものです。3つ買ったのですが、そのうちのひとつのこの指板の真ん中にはご覧のとおり、縦に他の色が入っていました。当時の私はこれが気に入らず、返品しようと思ったのですが、結局使わないまま今でも持っています。当時は本当にこの真ん中の違う色が嫌だったのですが、今見ると味があってなかなか良いなと思うようになりました。それならなぜ使わないのかというと、フレットの切り込みがちょっとずれて音痴なのです。使ってしまった他の2つも同じで、切り込みを埋めて切り直しました。やはりフレットスロットは自分で計って切った方が良いです

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ヘッドの表用のエボニーです。これは他の色が入っています。でもこれが仕上げてみると美しいのです

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真っ黒でないエボニーです。いいですよね。

  1. 2013/04/14(日) 12:01:57|
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Blister Figure Sapele が届く

先日アメリカから Sapele(英語ではサピーリと発音します)という木のバックとサイドのセットが届きました。Sapele はアフリカのマホガニーで、普通の Sapele は縦に模様があり、塗装を施すと益々その模様が浮き出します。この模様が無いホンジュラス・マホガニーなどの中南米のマホガニーとはちょっと違いますね。

ギターに使用される一番ポピュラーなマホガニーはホンジュラス産ですが、このホンジュラス・マホガニーがワシントン条約で輸出入禁止になってしまい、年々入手困難になっています。現在ギターの仕様で、ただマホガニーと明記されているものは、ホンジュラス以外(ブラジルなど)のマホガニーです。通常のホンジュラス・マホガニーはまだイギリスでも入手可能ですが、カーリーやキルティッドなどの模様の入ったものは殆ど入手不可能です。アメリカのサプライヤーからは入手可能なのですが、これは勿論アメリカで購入する場合で、海外からの注文は出来ません。輸出入禁止になる前にストックを蓄えておくべきでしたが、材料も高価で、資金が豊富でないとそう簡単にはストック出来ません。

年々入手困難になる木材は多々あり、それに代わる木材が注目されています。そして Sapele もそのひとつです。今回 Sapele に特別の模様が入ったものを入手しました。Blister Figure Sapele Backs & Sides です。Blister(水ぶくれ)という名前の通り、水ぶくれみたいな模様がある材です。

Sapele は初めて入手しましたが、通常のマホガニーよりはちょっと重いそうです。下の写真は生の木ですが、塗装を施すと色が濃くなり、模様も浮き出て美しくなると思います。どんな音になるのか今から楽しみです。

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アメリカから届きました。ちゃんと梱包されているかちょっと不安です。

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中を開けてみると、やはり補強の板は入っていませんでした。薄い板を一緒に梱包するとかなり頑丈になるんですけどね。頑丈に補強していないと割れが入っていることもあるんですよ。念入りに調べましたが、割れはどこにも入っていませんでした。一安心。

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綺麗な模様のサピーリです。

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これに塗装を施すと色が濃くなり、模様も浮き出てきます。

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これが塗装を施した時のイメージです。凄く綺麗な模様になりますね。ゴージャスですね。これはギターとして完成するのが楽しみです。

  1. 2013/02/14(木) 03:11:39|
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超スーパークイックデリバリーで新しいトップ材届く

前回の記事、「トップに亀裂が!!」の続きですが、トップ材の亀裂を発見し、すぐにアメリカのサプライヤーへ電話しました。きちんと詳細を説明すると、新しい3セットをすぐに送るということでした。それもその日の内に。それまでの仕事が無駄になったということはありましたが、新しいセットが無償で送られてくるということで一安心しました。木の割れ防止の補強がされていなかったので、次回は必ずするように念を押しました。

そしてなんと、2日後に新しいトップ材が届いたのです!厳密に言うと、夕方に電話して、届いたのは2日後の朝ですから、所要時間はわずか1日と4分の3です。最初の配達が僅か3日半で驚いていたのに、今回はそれよりももっと短い日数です。アメリカからこんなに早く届くとは!

今回の箱には「取り扱い注意(FRAGILE)」と「上にものを載せるな(DO NOT STACK)」のシールが貼られていました。

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中を開けてみると、見事なマスターグレードのシトカ・スプルースが3セット入っていました。補強はどうだったかというと、お願いしたベニヤ板では補強されておらず、底に柔らかい紙が分厚く敷かれ、上には丸めた紙が大量に置かれていました。念入りに検品しましたが、クラックは全くなく無事でした。補強の仕方にはちょっと不満がありましたが、「FRAGILE」と「DO NOT STACK」にされたことで、無事に届いたのだと思います。

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トラブルはありましたが、クレームへの対応の仕方には満足しました。

  1. 2012/03/27(火) 12:21:10|
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トップに亀裂が!!

先週の話ですが、トップ材のロゼット(サウンドホールの周り)の溝掘りが終わろうとしていた時、表面に長い亀裂を発見しました。

「え~!!!」

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場所は上の画像でも分るように、ボディの下の部分です。自分では、割った覚えが全くないのに、これはどうしたことでしょう。亀裂の長さは10センチ以上、そしてボディには約4センチ食い込んでいます。どう考えてみても、割った覚えは全くないのです。もしかしたら、最初から亀裂があったのでは、と思い、反対側もチェックしてみると、殆ど同じ亀裂が入っているではないですか。

これはシトカ・スプルースで、マスターグレードで同じものを3セット、アメリカの某サプライヤーから購入しました。シトカ・スプルースはイギリスでも入手できるのですが、このサプライヤーから他にもいろいろ購入するものがあったので、ついでにトップ材も注文したのでした。因みに、トップ材をこのサプライヤーから購入するのは初めてでした。

1セットのトップ材は、接着前は2ピースで重ねられているので、もしかしたら、運搬中に何かの衝撃で亀裂が入ったのでは、と思い、他の2セットも調べてみると、全部同じところに亀裂が入っていました。つまり、6ピース(3セット)全ての同じ個所に亀裂が入っているのです。割れている方向も同じなので、同じ衝撃で亀裂が入ったのは明らかでした。

下の画像は、別のセットです。亀裂が分かるように、ちょっと反らしています。

1408.jpg

送られてきた時に検品したつもりだったのですが、板をかなり反らしてみないと亀裂が分らず、ただ見ただけでは亀裂がきれいに閉じていて、全く気付きませんでした。これは梱包の仕方が悪く、通常、トップ材やバック材を送る時は、割れ防止として、箱の中にベニヤ板などを入れたりするのですが、この3セットが入った箱にはそんなサポートはありませんでした。

早速サプライヤーに電話してみると、すぐに新しいものを送るという回答でした。割れ防止をきちんとするように念を押して電話を切りました。

新しい3セットが送られてくるので安心しましたが、ロゼットの溝掘りまでに費やした時間は完璧に無駄になってしまいました。でも検品時に亀裂を発見できなかった自分の責任もあるので、これからはもっと細かく検品しようと思います。

  1. 2012/03/26(月) 13:06:04|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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