奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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ブリッジを固定させる方法

ブリッジの接着はとても厄介なものです。接着をする前は接着部分にきちんと嵌るものの、接着剤を付けてクランプで締め付けると、その接着剤が潤滑油となってしまい、ブリッジが定位置に安定しません。クランプを締めるとツルツル滑って定位置からずれてしまうのです。ボディーに塗装が施されていないのであれば、ブリッジの周りに小さな木片を幾つか接着剤で仮留めし、クランプで締めてもブリッジが全く動かないように出来るのですが、塗装があるとなるとこれは無理です。

メーカーや製作者によりブリッジを固定させる方法は様々だと思います。まず固定させる方法を全く使わずに接着する場合は危険が伴うと思います。接着剤の付着したブリッジを定位置に手でしばらく押さえても、クランプを締めると定位置からずれてしまいます。

ブリッジの1弦と6弦のブリッジピンの穴にブリッジピン(またはそれに類似したもの)を入れて固定させるという方法もあるのですが、固定されていると思っても、若干の遊びがあるのであれば、ずれてしまう可能性は大です。ここで厄介なのが、ブリッジを接着する場合、クランプを締めるとブリッジの周りから接着剤がはみ出てきます。それを濡れたタオルやスポンジなどで拭き取るのですが、その接着剤や水などが邪魔になってブリッジがずれていることに気づかないことがあるのです。接着剤が乾燥してからズレに気づくということもしばしばです。

実はかなり前の話しになるのですが、まだブリッジをブリッジピン2個で固定させていた頃、確実に固定させて接着したつもりでいたのですが、乾燥してからクランプを外すと、ブリッジが若干ずれているではないですか。約1ミリずれて塗装の無い木肌が見えているのです。接着した時、はみ出した接着剤をきれいに除去して動いていないことを確認したつもりだったのですが・・・。そのままにして気にしないようにするか、それとも取り外すか迷ったのですが、やはりこれでは不良品だと思い、取り外すことにしました。しかし、ブリッジを取り外すとなると、塗装を傷めないように外さないといけません。新品でピカピカの塗装だったので、それを痛めるリスクを避けるため、ブリッジを削り取りことにしました。ブリッジを1個無駄にするのです。勿体無いですが、ノミでブリッジを削り取り、新しいブリッジを作って再接着しました。これで塗装を痛めることはありませんでした。

それで私が現在行なっているブリッジの固定方法は、サドルの溝の中に2個の穴を開け、そこにドリルビットを2本差し込んで固定する方法です。この方法だとブリッジは殆ど動かず、遊びも殆どありません。今までいくつかの方法を試しましたが、私にとってはこれがベストの方法です。穴の大きさは5/64インチ(約2ミリ)、サドルの溝の幅は3/32インチ(2.4ミリ)か1/8インチ(3.2ミリ)が多いので、それより若干小さい穴です。穴を開けるのに使用したドリルビットをそのまま差し込んで固定させるので、殆どというより、全く動かないと言ってよいでしょう。

リペアーの仕事でいろんなギターを扱いますが、このようにサドルの溝に穴を開けて接着されているギターはあまり見かけません。しかし、「The Steel String Guitar: Construction & Repair」の著者、David Russell Young 氏は似たような方法を紹介しています。彼の使っているのはドリルビットではなく別のものです。私の方法と同じように、サドルの溝に穴を開けて固定させています。

1869.jpg
自分の製作しているギターの写真を載せたかったのですが、ドリルビットを差し込んでいる写真がありませんでした。よって、リペアーの写真を載せます。ギターは60年代の Gibson, J-50 です。このように、ドリルビットをサドルの溝の中で固定させます。

1870.jpg
裏側はこんな感じです。

1871.jpg
ドリルビットで留めると殆ど動かないので遊びはありませんが、念の為に、マスキングテープを貼ってブリッジが動いていないかチェックします。

1872.jpg
まずこのようにドリルビットを避けてクランプで留めます。

1873.jpg
ある程度安定したら、ドリルビットを一つずつ外してクランプの位置を移動させます。ドリルビットは手で抜きますが、どうしても抜けない場合は、ハンドドリルをドリルビットに装着して回転させて外します。

1874.jpg
ブリッジを接着中の60年代の Gibson, J-50 です。

1875.jpg
ドリルビットは写っていませんが、これは私の製作中のギターです。

1876.jpg
これも製作中のギターで、ドリルビットを外してクランプの位置を移動させた後です。

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  1. 2013/06/27(木) 07:13:01|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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