奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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貝にテンプレートを使ってロゴのシェイプを描く

ヘッドに施す私のロゴはいつも白蝶貝(mother-of-pearl)を使用していますが、今回は黄蝶貝(gold mother-of-pearl)を使用します。

ロゴは毎回ひとつずつ貝から切り出しています。手製のアクリル板のテンプレート(型)を貝に貼り付け、テンプレートの周りを先の尖った鋭利なものでなぞって傷を付けています。そしてその傷に黒いフィラーを塗り込みます。それから貝用(宝石用)の細い糸鋸で切り出すのです。

毎回切り出すには時間が掛かるので、外注することも出来るのですが、そんなに大量に必要なわけでもないし、やはり、自分のギターのロゴは自分で作りたいと思っています。たとえ時間が掛かったとしてもです。ギターを購入する側にとっては、そのロゴが外注で作られたものなのか、外注でなかったとしても CNC (コンピュータ数値制御)で作られたものなのか、あるいは手製なのか、説明がない限り分からないことなのです。しかし、やはりロゴは手製に拘っています。

毎回違うデザインのインレイならば、わざわざテンプレートを作るということはしないのですが、ロゴの場合は毎回同じデザインなので、統一されたシェイプを切り出すためにテンプレートを使っています。

それでは写真で説明をしたいと思いますが、今回の工程は、貝に切り出すシェイプを描くまでです。切り出しの記事はまた近いうちに記事にしたいと思います。

1933.jpg
さあ、今回はいつもの白い白蝶貝(mother-of-pearl)ではなく、黄色の黄蝶貝(gold mother-of-pearl)をロゴに使用します。左側にあるのは青いアクリル板で作った4ピースのテンプレート(型)です。もちろん手製です。ロゴは毎回同じ形に作らないといけないので、このテンプレートを使用します。

1934.jpg
さて、このアクリル板を何を使って貝に接着するかというと、なんと!、使用する接着剤はタイトボンド(木工用ボンド)です。アクリル板と貝が木工用ボンドでくっ付く訳はないのですが、仮留めとしては最適です。アクリル板の裏にタイトボンドを塗り、貝にくっ付けて指でしばらく押さえておきます。1分程押さえたら指を離し、タイトボンドが乾燥するまで10分程待ちます。

1935.jpg
アクリル板を指で押さえると、横からタイトボンドがはみ出しますが、少し乾燥するまで待ちます。

1936.jpg
はみ出したタイトボンドがちょっと乾燥したら、アートナイフ等を使って取り除きます。タイトボンドは貝にはくっつかないので簡単に除去出来ます。

1937.jpg
4ピースのテンプレートを全て貝に接着します。接着すると言っても、テンプレートを指で動かすと簡単に取れてしまいます。取れないように慎重に取り扱わないといけません。

1938.jpg
タイトボンドが完全に乾燥したら、テンプレートの周りを鋭利な尖ったものでなぞって貝に傷を付けます。写真ではテンプレートを指で押さえていませんが(写真撮影のため)、実際は指で押さえて貝に傷を付けます。ここで注意しなければならないのは、テンプレートが貝から外れないようにすることです。タイトボンドは乾燥していますが、テンプレートと貝はしっかりとくっ付いているわけではないので、ちょっとした余分な力が加わるとすぐに取れてしまいます。全体に傷を付ける前にテンプレートが外れてしまうとおしまいです。最初からやり直しになってしまいます。私は何回もやっているので、力を加える加減が分かっており、ほぼ99%は外れることはありません。タイトボンドを使っているということで驚いている方もいらっしゃるかもしれません。これは私のやり方なので、他の人に薦められる方法ではなく、なるべく真似しないで下さい(笑)。失敗してテンプレートが貝から外れても責任は負えません。

1939.jpg
傷を付け終わるとテンプレートを貝から外します。ちょっと力を加えるだけで簡単に外れます。貝の表面に残ったボンドは水で簡単に拭き取ることが出来ます。

1940.jpg
写真には撮れませんでしたが、今度はテンプレート無しで、ルーペ(拡大鏡)を使います。一度付けた傷の溝がガイドとなりますので、その傷をなぞりながら更に深く掘ります。

1941.jpg
深い溝が掘れたら、今度は黒いフィラーを塗り込みます。写真のように塗り込み、余分なフィラーを拭き取ります。

1942.jpg
こんな感じで綺麗なラインが描けました。

1943.jpg
4ピース全てにラインを描きました。

1944.jpg
この黒いラインに沿って細い糸鋸(宝石用)で切り出します。切り出すところはまた別に機会に紹介しますね。切り出したピースは隣りの白蝶貝のピースのようになるわけです。



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  1. 2013/07/30(火) 22:27:48|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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