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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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アコースティック楽器専門誌「Frets」の表紙を飾ったジョン・ロイターの12弦ギター

先日フェイスブックの中に、私のロバート・ベンでのアコースティックギターのインストラクター、John Reuter 氏が25、6年前に製作した12弦ギターの写真が掲載されていました。写真を投稿したのはアメリカのボストンでリペアーを行っているある卒業生で、彼の所にリペアーとして持ち込まれたそうです。

1988年9月号のアコースティック楽器の専門誌、「Frets」の表紙に John の12弦ギターのヘッドが掲載され、その雑誌を見たボストン在住のある方が、John に雑誌と同じギターをオーダーされました。そのギターが最近リペアーとして持ち込まれた訳です。

2141.jpg

私は1988年にロバート・ベンに在学していたのですが、John が当時製作していたのは確かこのギター(雑誌の表紙のギターではなく、リペアーに持ち込まれたギター)ではなかったかと思います。当時生徒としてギター製作の世界に足を踏み入れた私は、John の製作するギターに魅せられていました。

私が在学中にこの「Frets」の雑誌が発行され、早速購入しました。この表紙のギターはバック、サイド、ヘッド、ブリッジ、ピックガードにコア材が使用されており、ボディーシェイプはスモールジャンボでした。そしてヘッドのインレイが素晴らしく、将来はこんなギターを作ってみたいなと思っていました。

そしてチャンスはすぐに訪れました。当時ロバート・ベンでは4ヶ月(現在は5ヶ月)の間にエレキギターとアコースティックギターを各一本ずつ製作しなければならず、材料等の選択には制限がありました。この必須の2本の製作が終わったら、3本目からは、材料、楽器の種類に関係無く、自由作として何でも作ることが出来るのです。多くの生徒達は、必須の2本だけを製作して卒業生するのですが、私は3本目の自由作を作りたかったので、学校には長く在学することにしました。

そして製作したギターは、John のコア材の12弦から影響を受けたものになりました。バック、サイド、ヘッド、ブリッジ、ピックガードは John のギターと同じでコア材、ボディーシェイプはスモールジャンボでカッタウェー、 ボディーとヘッドの周りにはアバロニ(アワビ貝)を施し、指板にはアバロニで唐草模様。この自由作で難しいことは何でもやろうということで、色んなことに挑戦しました。

特に John のギターから魅せられたのは、ヘッドに施されたインレイでした。そして毎晩アパートでデザインの下書きを繰り返し、そして出来上がったのが下の写真のインレイです。

2142.jpg

まだギター製作を勉強中で、デザイン的にも技術的にも下手なところがあります。貝の表面を彫る技術にも挑戦しましたが、彫る道具を持っていなかったので、コンパスの尖った部分を使って彫りました。写真でも分かるように、彫りはまだまだ下手ですね。でも誰にもやり方を教わらずに挑戦したのでよしとしましょう(笑)。

2143.jpg

ここで使われている貝も既製の板状になったものを使ったのではなく、学校で捨てられていたアワビ貝の小さい塊を自分で加工して板状にして使用しました。貝をベルトサンダーなどで削ると悪臭がするので、誰もいなくなる昼休みを利用して作っています。いや〜、いろいろと努力しました。懐かしい良い思い出です。

下の写真はその自由作の後ろ姿です。表の姿はまた別の機会にお見せしたいと思います…多分。ていうか、2年半前の記事、「故郷佐世保の月刊生活情報誌『99 view』1992年7月号での紹介」で見れます。

2144.jpg

John とは最近フェイスブックでメッセージのやり取りをしたのですが、私のこの自由作のギターのことはよく覚えていると言ってくれました。嬉しい〜!!今までかなりの数の生徒達のギターがある中で、26年前の私のギターを覚えていてくれるのは光栄です。そう言えば当時、John は完成した私のギターの写真撮影をしてくれました。それも彼自身のコレクションのためです。当時物凄く嬉しかったことを覚えています。

アコースティックギターのインストラクター John については4年半前の記事に書いていますので、良かったらご参照下さい。
驚異のインストラクター ジョン・ロイター

最後に余談ですが、アコースティック楽器の専門誌「Frets」は、この John のギターが表紙を飾ってからしばらくして廃刊になってしまいました。そして1990年に登場したのが、現在でも発行されているアコースティックギター専門誌、「Acoustic Guitar」です。

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  1. 2014/03/30(日) 11:44:57|
  2. ギター雑誌
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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