奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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トラスロッドのビビりを直せ

またまたビビりの話です。これで続けて4回目。今回のビビりっていうのは、トラスロッドの振動の話です。

去年の9月、サンタクルーズ、OM-PW を購入したばかりというお客さんが、トラスロッドがネック内で振動するということで、ギターをギターショップに持ち込まれました。その時の話は去年の記事「諸悪の根源はどこだ?!奴を探し出せ!!」に書いています。

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当時、購入したばかりの新品のギターで、買って間もなく、ネック内のトラスロッドが振動するようになりました。特定の音を弾くとトラスロッドが振動し、ネックの後ろを叩くと、鈍い音がしていました。明らかにトラスロッドがネック内で固定されていない音です。

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前回はネックの反りが変化しない程度にトラスロッドを回すことで問題は解決しました。トラスロッドが固定され、ネック内での振動は無くなりました。

さて、あれから一年近く経ったわけですが、やはり当時行ったリペアーは応急処置にしかすぎず、トラスロッドが再びネックの中で振動し始めました。症状は前回と殆ど同じです。

実は前回のリペアーの後、ある方からアメリカで行っているトラスロッドのネック内での振動に対する対処法のアドバイスを頂戴しました。もちろん、私はそれまでその対処法を知らなかったのですが、調べてみると、その対処法をインターネットで見ることが出来ました。次回こういうトラブルがあった場合は、その方法でリペアーを行おうと思っていたのですが、やっとその日がやって来ました。

その方法を簡単に説明すると、ネック内のトラスロッドの溝の隙間に接着剤を流し込むということです。使用する接着剤ですが、私は瞬間接着剤を使用することにしました。インターネットで説明してあった接着剤とは違いますが、瞬間接着剤は隙間に浸透しやすいので、自分の判断でこれを使用することにしました(もしかしたら正しくないのかもしれませんが…)。

7フレットを抜き、フレット溝の真ん中にドリルで穴を開けます。

2433.jpg

ドリルでフレット溝に穴を開けます。深さはトラスロッドに届くまでなのですが、サンタクルーズのギターの場合は、トラスロッドがネックジョイントに向かって徐々に深く入っているので、7フレット辺りでは、深さはちょうどネックの厚さの半分ぐらいかなと判断しました。

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ちょうどネックの厚さ半分ぐらいでトラスロッドに到達するのですが、ちょうどど真ん中だと(つまりトラスロッドの真上)、接着剤が溝の中に浸透していくのかどうか確かではなかったので、真ん中からちょっとずらしてもう一つ穴を開けました。ちょうどトラスロッドの横に穴が開くようにします。穴を開けると、ドリルがトラスロッドの横に若干触れる感触がありました。これでトラスロッドの溝に到達したと思うのですが…。

2436.jpg

瞬間接着剤のノズルの先に細いノズルを取り付け、溝の一番深いところに接着剤を流し込みます。

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しばらく乾燥させ、まずネックの後ろを叩いてみます。

「音がソリッドだ!」

ネックの後ろを叩いた音に鈍さは無く、しっかりとしたソリッドな音です。トラスロッドはネック内で固定されたようです。でもまだ安心出来ません。弦を鳴らして振動音が無いかどうかチェックしないといけません。ネックの後ろを叩いても振動音はしないので、おそらく直っていると思うのですが…。

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まだ7フレットを元に戻さず、弦を張って音をチェックしてみます。もしかしたらまだ接着剤を流し込む必要があるかもしれないと思ったからです。7フレットには仮のフレットを差し込んでいます。

2439.jpg


弦を張って弾いても全く問題はありません。トラスロッドの振動音は全く聞こえません。

「良かった〜。」

これで安心して7フレットを元に戻せます。

2440.jpg

7フレットを打ち直した後はフレットの端を接着し、やはりフレットの高さに若干の違いが生じるので、高さを調整して形状を整えます。

2441.jpg

2442.jpg

ネックリリーフ、弦高に関しては、去年の調整から変化はありませんでした。後ほどお客さんから感謝のメールが届きました。

何かシリーズ化したようにビビりの話が4回も続いてしまいました(笑)。製作においても、修理においても、ビビりが無いようにすることは重要なことです。火の無いところには煙は立たないというように、ビビりには絶対に原因があります。それを見つけ出すのが重要なのです。

最後にアドバイスを頂戴したO 氏に感謝致します。



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  1. 2014/08/31(日) 11:04:47|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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