奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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重宝しているネックアイロン

今回はネックアイロンの話です。

ネックが順反り、又は逆反りしてしまい、トラスロッドでは修正が効かない場合は、ネックアイロンでネックを温めて反りを矯正します。特に考えられるトラブルとしては、

1.順反りが大きく、トラスロッドで矯正してもまだ順反りしている場合。
2.逆反りしていて、トラスロッドが順反りにしか対応出来ない 1-Way の場合(2-Way は逆反りに対応可能)。
3.ネックにトラスロッドが入っていなくて、順反り、又は逆反りしている場合。

ネック矯正用のネックアイロンは、25年以上前にアメリカに住んでいる時、ギターの道具・材料の専門店、 Stewart-MacDonald (省略して Stewmac と呼ばれている)から購入しました。Stewmac にはこれまで発売中止になった道具も多く、このネックアイロンもその一つです。現在ネットで検索しても、ネックアイロンを販売しているところがなかなか見つかりません。ただ一つ見つかったのは、Aria のネックアイロンです。但し、かなり値段が高いですね。私のネックアイロンの5倍はします。現在でも重宝している道具なので、買っておいて本当に良かったと思っています。

3508.jpg

順反りを矯正する場合は、1フレットとネックジョイント部分の指板上にスペーサーを敷き、その上にネックアイロンを置きます。そしてネックアイロンの真ん中辺りを C クランプで締めてネックを逆反り状態にします。ネックアイロンの電源をオンにし、大体1時間から1時間半ぐらいネックを温めます。ネックの裏を触ってみて熱くなっていたらオッケーです。それから電源をオフにして次の日までクランプを締めたままで冷やします。クランプで締めて逆反りにしていても、クランプを外すとある程度の戻りがあるので、ちょうど真っ直ぐな状態になっていればしめたものです。しかし、どれぐらいの戻りがあるのかはネックによってまちまちです。簡単に曲がるネックもあれば、なかなか曲がらないネックもあります。曲がりが少なくてまだ順反り状態ならば、もう一度 C クランプで逆反りに締めて温めなければなりません。逆に締め過ぎて逆反りになってしまったら、今度は C クランプで締める箇所を変えて順反り状態にして温めなければなりません。面倒なのですが、カンを頼りに作業をやらなければなりません。

3509.jpg

3510.jpg

3511.jpg

下の写真の 1930年製 Kalamazoo by Gibson の KG-14 にはトラスロッドが入っていないのですが、ネックが分厚くてなかなか曲がらず、数回目でやっとネックが真っ直ぐになりました。

3512.jpg

なかなか曲がらないネックは Fender のネック(下の写真)です。メイプルのネックは手強いですね。

3513.jpg

下の写真の Martin D-28 は思った以上にネックが曲がって逆反りになってしまいました。

3514.jpg

逆反りになってしまったネックを真っ直ぐにするため、スペイサーをネック中央に敷き、2つのクランプを1フレットとネックジョイント辺りで締めて順反り状態にします。

3515.jpg

3516.jpg

ネックの熱加工は、どれだけクランプを締めれば良いかの判断が難しく、カンに頼るしかありません。それに何回もネックを温めていると、木の収縮により、収縮しないフレットの端が飛び出してしまいます。出来れば一発で終わらせたいのですが…。



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  1. 2016/04/30(土) 00:09:54|
  2. 道具・工具
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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