奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その4

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その3」の続きです。

前回はボディー内のブリッジプレートを剥がすところまでやりましたが、この作業は一旦中断し、これからネックの取り外しに取り掛かります。まずネックを取り外す前に、ネックジョイントからトップ上に接着してある指板の接着面にナイフを入れ、指板とトップが分離した状態にします。

3669.jpg

指板上にアイロンを置き、トップとの接着面の接着剤を柔軟にさせます。

3670.jpg

トップの塗装を保護しながら、指板の下にナイフを入れてトップと分離させます。

3671.jpg

Gibson のギターは Martin と違い、ネックとボディーの接着後に塗装が施されているので、ネックとボディーのジョイント部分にナイフで切り込みを入れます。塗装が欠けるのを最小限に抑えます。

3672.jpg

3673.jpg

3674.jpg

指板をトップから分離させた後、15フレットを抜きます。これはネック側のダブテイルの凸とボディー側ネックブロックの凹のジョイント部分下方には若干の隙間があり、これがちょうど15フレットの下にあるからです(12フレットジョイントのギターならば13フレット)。ここに穴を開け、熱い蒸気を注入して接着剤を柔軟にさせます。しかし、その隙間が若干ずれているギターもあります。これが厄介なんですよね。さて、これはどうでしょう。

3675.jpg

15フレットのフレットスロットに2つの穴を開けます。1つは熱い蒸気を注入させるため、もう1つはその蒸気を外に逃がすためです。

3676.jpg

ここで心配していた問題が発生しました。通常、15フレットスロットに穴を開けた場合、ドリルビットが指板を突き抜けた後、そのビットが隙間に入った感覚があります。今回はその感覚が全くないのです。ドリルビットはネックブロックのソリッドな部分に穴を開けただけです。これでは蒸気を接着面に注入することが出来ません。時々こんな風に、ダブテイルの隙間が15フレットからずれていることがあります。そんな場合は、ドリルビットをネック方向かボディー方向に斜めに傾けて穴を開け直すと隙間に到達することもあります。ただドリルビットが隙間に到達した感覚がよく分からなかったりするので(斜めだと分かりにくい)、そんな時は、ギターの弦を穴に差し込んで、弦が隙間の一番そこまで到達するか確認します。

3677.jpg

ドリルビットの角度をいろいろと変えて試みましたが、やはり弦は隙間のそこまで到達しません。3つ目の穴を開けて角度を変えながらやっているとドリルビットが折れてしまいました。

3678.jpg

何度やってもだめです。

3679.jpg

何度やっても穴が隙間に到達せず、しばらく休止してどうするか考えることにしました。そして苦渋の決断をすることにしました。それは指板を切り落とすことです。お客さんにも連絡して了解を得ました。切り落とすのは15フレットからです。ネックジョイントの14フレットから切り落としてしまうと、切り落とした指板の再接着が難しくなってしまいます。15フレットからだと、裏から補強材を入れて元に戻せます。

ということで、15フレットから指板を切り落としました。下の写真では隙間がすぐ下にあるように見えますが、実際は、隙間は2ミリ程上の方にずれていました。ドリルビットの穴も隙間には到達していませんでした。

このように、隙間が15フレットからずれている時に隙間を見つけ出す方法を後から発見しました。もっと早く発見していれば、指板を切り落とさなくてよかったんですけどね。これは企業秘密で紹介出来ません(笑)。

3680.jpg

ここでちょっと余談ですが、先月、パブでバッグを盗まれてしまい、ギターの写真がいっぱい入った iPad もバッグの中に入っていました。指板を切り落とす写真も iPad の中に入っており、残念ですが、切り落とした後の写真も上の写真だけです。本当はもっと詳しく写真で説明出来たんですけどね。ちょうどこの辺りの工程の写真を紛失しています。

それでは、次回はネックの取り外しです。次回をお楽しみに!

続く。



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  1. 2017/08/29(火) 15:16:02|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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