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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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ウクレレの調整、弦高の数値は?

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さて、今回はこのブログを始めて初めてのウクレレの話です。

ロンドン在住の日本人女性6人がウクレレのグループを組んでいるのですが、私もギターで参加して一緒に演奏をしたりしています。殆どのメンバーが一番サイズの小さいのソプラノを持っていたのですが、2本目のウクレレとして、ソプラノより大きいコンサートを購入することになりました。購入したギターショップは、私がリペアーを担当しているショップです。これまで合計5本(コンサート4本、テナー1本)購入し、あとコンサートを2本購入予定です(8月に入荷)。購入後、私が全てのウクレレをセットアップしました。

値段は1本約2万円で、手軽な値段です。トップが単板で、サイドとバックは合板となっています。チューニングに大切なチューニングマシーンはグローバー製で、みんなにこれを勧めました。これより下のクラスになると、ボディーは全部合板で、チューニングマシーンはノーブランドです。極端に安いウクレレのチューニングはすぐ狂いますからね。

さて、市販されているこのクラスのウクレレの調整は完璧ではありません。まず弦高が高くなっています。高く調整されているのはサドルだけではなく、ナット側も高くなっています。これでは弦が押さえにくいです。フレットの高さも不揃いのものが殆どです。

さあ、それではウクレレの弦高はどれぐらいがよろしでしょうか?下の写真の下にキャプションとして説明文を書きますね。

3806.jpg
コンサートサイズのウクレレです。ウクレレには3つのサイズがあり、それぞれソプラノ(小)、コンサート(中)、テナー(大)と呼ばれています。ソプラノだとフレットとフレットの間隔が狭く、4本の指をフレット内に入れづらくなりますが、コンサートだとちょっと幅が広くなるので、その分弾きやすくなると思います。

3807.jpg
ボディーは全体がマホガニーですが、トップだけが単板になっています。

3809.jpg
バックとサイドもマホガニーですが、トップと違って薄いベニヤを重ね合わせた合板になっています。このマホガニーにはストライプ模様が入っていますが、ストライプの入っているマホガニーはアフリカのマホガニーで、サピーリ(Sapele)と呼ばれています。

3808.jpg
チューニングに大切なチューニングマシーンはグローバー製です。ブランド名は Laka で、イギリスの会社が韓国か中国で生産しているのだと思います。

3810.jpg
写真ではわかりにくいかもしれませんが、ナット側の弦高は高くなっています。これではローコードが押さえにくいです。

3811.jpg
サドルは高いので、弦高を下げるには十分な高さがあります。

382.jpg
写真ではわかりにくいかもしれませんが、フレットの端が尖っているので、後で滑らかにします。

さて、ここでウクレレの弦高に関してですが、各メーカーや製作者によって数値はまちまちのようです。私の理想とする弦高は、4弦全部、1フレットで(弦とフレットの隙間の数値) 1/64 インチ(約 0.4 ミリ)、12フレットで 6/64 インチ(約 2.4 ミリ)です。私の数値に一番近いのは、ギターの材料・道具を販売している Stewmac 社です。Stewmac 社のウェブサイトにはその数値(1インチを1000等分にした数値)が紹介されていますが、1フレットが .015 インチ、12フレットが .090 インチとなっています。私の数値を1000等分の数値にすると、1フレットが .015625 インチ、12フレットが .09375 インチです。Stewmac 社の数値と殆ど同じです。

3813.jpg
このウクレレの1フレットでの弦とフレットの隙間は 2/64 インチあります。私が調整する高さは 1/64 インチですから、2倍の高さになります。半分の高さにすることでかなり弾くやすくなります。

3814.jpg
12フレットでの弦とフレットの隙間は 7/64 インチです。私が調整する高さは 6/64 インチですから、ちょっと高いですね。

3815.jpg
この価格のウクレレにはフレットの高さの不揃いが多く、このウクレレも高さが不揃いでした。フレットの擦り合わせをして高さを揃えます。

3816.jpg
フレットの擦り合わせが終了しました。ウクレレの弦の張力はそんなに強くないので、最終フレットまでフレットの高さは同じでもいいかなとも思いましたが、やはりギターのようにやってしまいました。ネックジョイント辺りから最終フレットに向かってフレットの高さを徐々に低くしていきました。いわゆる Fallaway (フォールアウェイ)です。

3817.jpg
弦を張ってナットとサドルの高さの調整をします。

3818.jpg
まずナットの高さを調整してからサドルの高さの調整をします。写真はありませんが、まず12フレットの弦とフレットの隙間に 6/64 インチの厚さのものを挟み、上から弦を押さえて1フレットの高さを調整します。12フレットでの弦高を固定することで、1フレットの高さが調整できるのです。1フレットの高さの調整が終了すれば、今度はサドルの底を下げたい分だけ削って低くします。削る数値は、12フレットで下げたい数値の2倍の数値です。

3819.jpg
1フレットでの弦とフレットの隙間は 1/64 インチになりました。私はこれぐらいがウクレレにはちょうど良いのではと思っています。とても弦が押さやすいです。

3820.jpg
12フレットでの弦とフレットの隙間は 6/64 インチになりました。弦もビビらず、ちょうど良い高さだと思います。

3821.jpg
ということで、調整完了です。

ウクレレグループの方々からはとても弾きやすくなったと感謝されました。やはり感謝されると嬉しいですね。私も一緒に演奏させてもらっているし、みんなで弾きやすい楽器を一緒に弾けば、必ず素晴らしい音楽が奏でられると思います。



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  1. 2018/06/15(金) 01:50:08|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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