奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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安物ギターをラップスティールギターに改造

前回の記事、「Kelly Joe Phelps のラップスティールギター」に関連した話です。

もう10年ちょっと前の話なのですが、私はずっとラップスティールギターが欲しいと思っていました。私の好きなギタリストの一人、David Lindley がワイゼンボーンという、ラップスティール専用のギターを弾いていたということもあって、このギターがどうしても欲しいと思っていました。自分で作ろうとも思ったのですが、自分にギターを作る時間の余裕はありません。そう思っている時に出会った音楽が、Kelly Joe Phelps (ケリー・ジョー・フェルプス)でした。そしてロンドンで行われた彼のライブを観て、そのラップスティールの演奏の素晴らしさに感動させられました。演奏テクニックもさることながら、その音色の素晴らしいこと。ラップスティール専用のワイゼンボーンとはまた違った甘い音色でした。これは、Kelly Joe の指にも関係しているとは思います。彼はフィンガーピックもサムピックも爪も使いません。指の肉だけでのピッキングです。使用ギターは、ギブソンの60年代初頭のモデル、FJN (Folk Jumbo Natural) をラップスティール用に改造したものでした。この日を境に、私はワイゼンボーンよりも、普通のドレッドノートサイズのギターをラップスティール用に改造して弾きたいと思うようになりました。

さて、普通のギターをラップスティールに改造すると言っても、そのギターを買う余裕や、作る時間の余裕もありません。たとえ改造できるギターがあったとしても、ギブソンなどの高級ギターに、ラップスティールに使用する図太い弦を張る勇気もありません。かなり弦のテンションが強くなるので、ネックの反り、ボディ表面の持ち上がり、ネック角の変化など、心配することばかりです。

そして思いついたのが、安いギターを買って、それをラップスティール用に改造することでした。安いギターだとネックにトラブルが起こったとしても、さほど気になりません。そしてスライド奏法なので、演奏にも支障なしです。それにラップスティールギターに関しては初心者なので、とにかく早く練習をしたいということで、音の良さなど二の次だと思いました。早速ギターショップに買いに行くと、ちょうど手頃なギターがありました。値段は確か、日本円で一万円ちょっとだったと思います。どこのメーカーかよく分らない、サンバーストのドレッドノートでした。そして改造すると、Kelly Joe Phelps の教則ビデオ(まだ当時はDVD盤が出ていませんでした)を買って、ラップスティールギターの練習を始めました。

それでは、下の写真で説明をしたいと思います。

1328.jpg
これが一万円ちょっとで買ったギターです。安いギターなので思い切った改造ができます。

1329.jpg
ラップスティールはスライド奏法なので、弦をかなり高く、宙に浮かせないといけません。それで背の高いナットが必要なのですが、当時は、背の高いボーン(牛骨)のナットは入手困難でした(今は簡単に入手できます)。そこで考えたのが、エポキシの接着剤で接着して背を高くすることでした。ナット上部に付け足してあるのが分かると思います。弦の高さは、6弦すべて同じ高さです。

1330.jpg
サドルもボーン(牛骨)に交換しました。これも6弦すべて同じ高さです。

1331.jpg
チューニングマシーンも交換しました。やはり、チューニングは大切ですから。たまたまグローバーが1セット余っていたので、それに交換しました。余談ですが、このグローバーの色は、元々ゴールドなのですが、ずっと使用していて色が落ちてしまいました。色って落ちてはいけないんですけどね。(やはりゴトーが最高です)

1332.jpg
なかなかいい感じです。

1333.jpg
弦の上に乗っているバーをスライドさせて演奏します。

1334.jpg
10年ちょっと経過して、とうとうトラブルが発生しました。やはり、凄い張力で引っ張られているし、安物ということで、ブリッジが剥がれてきました。でもこのトラブルは、ギターを作る者には簡単なリペアーです。因みに、張ってある弦はミディアムゲージですが、1弦は使用せず、2弦を1弦に移動し、空いた2弦には、.020 を使用しました。よって、弦の太さは6弦から、.056 .045 .035 .026 .020 .017 です。

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  1. 2012/01/23(月) 03:35:00|
  2. ギター紹介
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コメント

弦高は?

似たような改造を依頼されています。
弦高はどれくらいにするのが妥当なんでしょうか?
差し支えなければ、弦高の他にも注意店などがあれば教えてください。
  1. 2016/10/03(月) 22:20:03 |
  2. URL |
  3. 椿 #VZUAMpC2
  4. [ 編集 ]

Re: 弦高は?

椿さんですよね。

改造したラップスティールギターは現在工房で眠っている(笑)ので、明日弦高とか測ってお知らせします。随分前に改造しているので、弦高をどうやって決めたかは覚えていないんですよ。ナットの高さもお知らせしますね。カポは次の記事で紹介しているように自作しました。でも今は Shubb からラップスティール用のカポが販売されています。David Lindley に以前直接聞いたことがあるのですが、Shubb のカポは良いと言っていました。

私が改造した時には高さのある牛骨ナットがなかったので新しいピースを付け足しましたが、今では Stewmac などで入手出来るようです。

他に注意点と言えば、弦高はかなり高くするので、ネックの元起きや反りはそれほど気にすることはないと思うのですが(特に安いギターを改造する場合)、安いギターだと私のラップスティールのようにブリッジが剥がれる場合があると思います(ブログの記事に写真を載せています)。安いギターだと塗装の上にブリッジが接着している場合があるので、もし心配ならば、一度ブリッジを剥がして下の塗装を剥がし、再接着するのも良い方法かもしれません。

では弦高のサイズは後程お知らせします。
  1. 2016/10/03(月) 23:48:09 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

ありがとうございます。

椿です。

ブリッジの接着状態は要チェックですね!
ナットやサドルの材料は日本でもなんとか手に入りそうです。

弦高はメールで知らせていただけますか?
  1. 2016/10/05(水) 14:17:32 |
  2. URL |
  3. 椿一生 #VZUAMpC2
  4. [ 編集 ]

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  1. 2017/12/09(土) 11:55:30 |
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奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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