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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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Santa Cruz Vintage Artist バック亀裂の修復

前回の記事、「Santa Cruz Guitar Company の公認リペアーマン?!」に5本のギターが登場しましたが、その中の1本のリペアーの紹介です。

ギターは SCGC Vintage Artist で、持ち主の奥さんがギターを倒してしまい、バックに亀裂が入ってしまいました。

2912.jpg

亀裂の長さは7センチほどで、裏側に接着するクリート(補強材)は3個にすることにしました。

2913.jpg

ボディー亀裂のリペアーの場合、手が届かない箇所には小さい穴(直径 0.4 ミリ)を開け、そこに細いギター弦を通して内側から外側に引いてクリート(補強材)を接着するようにしているのですが、手が届く箇所にはなるべく穴を開けないでクリートを接着するようにしています。穴を開ける利点は、内側のどこにクリートを接着すれば良いのか確実に分かる点です。今回の亀裂には手が届くのですが、内側の亀裂の箇所の特定に100%の自信がなかったので、3個のクリートの内、最初の1個は穴を開けて接着することにしました。最初の1個目の接着場所が分かれば、残りの2個の接着場所は簡単に特定出来ます。

穴を通してクリートを接着するもう一つの利点は、亀裂で段差が出来ている表面を平らに出来るところです。

2914.jpg

穴に細い弦を通します。

2915.jpg

外側から弦を巻き上げてクリートを内側に接着します。この方法だと正確な場所に強く接着することが可能で、表面も平らに出来ます。

2916.jpg

ブロックも一緒に引っ張ってクリートを強く押さえつけます。

2917.jpg

残りの2個のクリートは手を使って接着しました。

2918.jpg

小さい穴はパテで塞ぎました。亀裂はタイトボンド(木工用ボンド)を使って接着してありますが、全く隙間が無いようにするため、まず瞬間接着剤を流し込みました。乾燥後、ニトロセルロースラッカーを亀裂に垂らします。ニトロセルロースラッカーの利点は、古いラッカーと新しいラッカーが簡単に溶け合う点です。ラッカーを垂らす前に、割れているラッカーはシンナーである程度溶かしています。その方が透明になる確率が大きいです。

2919.jpg

下の写真が、ウエスト辺りにも亀裂を発見しました。この亀裂の下にはカーフトライニングがあり、内側からクリートを接着することは不可能なため、亀裂に瞬間接着剤を流し込むだけにします。亀裂の隙間は小さく、ラッカーの損傷もあまりないので、新しくラッカーは垂らしません。瞬間接着剤の乾燥後、そこをスクレイプ、サンディングしてバフ掛けで仕上げます。

2920.jpg

お客さんからは頼まれなかったのですが、ラッカーが剥がれている箇所や、以前施された亀裂修理跡の見た目が良くなかったので、そこにもラッカーを垂らして修復することにしました。

2921.jpg

2922.jpg

ウエスト辺りの亀裂は瞬間接着剤だけしか垂らしていません。乾燥後、盛り上がった瞬間接着剤をスクレイプします。その後、サンディング、バフィング、そしてポリッシュで磨きます。

2923.jpg

綺麗に仕上がりました。

2925.jpg

大きな亀裂の箇所も綺麗に仕上がりました。写真ではよく見えませんが、完璧ではありません。もっと綺麗に仕上げたいのであれば、その箇所にラッカーを吹き付けるのが良いのですが、このギターはかなり傷が多く、お客さんも早く仕上げて欲しいということだったので、これだけの作業で済ませます。

2924.jpg

全体的に綺麗に仕上がりました。

2926.jpg

まだまだサンタクルーズのリペアーはありますので、また紹介しますね。



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  1. 2015/03/17(火) 12:50:59|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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