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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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ネックブロックの破損 その16 最終回

前回の記事、「ネックブロックの破損 その15」の続きです。そしてこれが16回に分けて紹介してきた Guild F-50 BLD 修復の最後の記事となります。最初から読んで頂いた方々には心より感謝します。かなり大変な修復でしたが、無事にお終えることが出来ました。

最初にこのギターが修理で持ち込まれた時、かなり大変な修理になるとは思いましたが、それと同時に、絶対に元の状態に戻したいという衝動に駆られました。通常のネックリセット(ネックをボディーから取り外し、角度調整をして再接着)ならまだしも、ボディー内部のネックブロックが破損していたため、表板を取り外すという大掛かりの作業となりました。

3042.jpg

弦を張って試奏しましたが、最高の状態となりました。弦はミディアム・ゲージなので、その強度も考慮してネックリセットを行っています。

3043.jpg

ボディー上の指板の下は完全に割れて表板から外れていましたが、補強をしながら再接着し、頑丈な一枚板となりました。

3044.jpg

指板とサウンドホールの間の割れた箇所の修復も上手く行きました。割れの跡も殆ど目立ちません。

3045.jpg

ネックヒールとボディーの隙間もありません。

3046.jpg

ギター全体がかなり汚れていたので、綺麗に磨き直しました。ヘッドもそうです。

3047.jpg

3048.jpg

綺麗に仕上がったギターを眺めるのは楽しいですね。思わずにやっとなってしまいます(笑)。

3049.jpg

最初に、このギターの持ち主は、ある英国の有名シンガーのバンドのギタリストと紹介しましたが、彼はSeal のバンドのギタリストです。彼が21年前に Seal のライブで演奏している動画がありますので、ここで紹介したいと思います。ご覧のように、彼は左利きですが、右用のギターを逆に持ち替えて弾いています。つまり、弦を張り替えずに、右用のギターをそのままで弾いているので、高音弦が上、低音弦が下になっています。器用に弾いていますね。彼の横にギターが立っていますが、右側にあるのが、今回修理した Guild F-50 BLD です。当時はまだピックガードが一枚しかありません。もう一枚のピックガードは後から貼られたようです。ブリッジピンも黒ではなく、白いものになっています。この頃はまだ悲劇は起こっていなかったんですね。



それでは16回に渡って紹介した修理の記事は終了です。いろいろと勉強になった仕事でした。皆さん、長い間ありがとうございました。



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  1. 2015/05/20(水) 04:39:16|
  2. リペアー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<Santa Cruz Tony Rice モデル ヘッド横の修復 | ホーム | ネックブロックの破損 その15>>

コメント

いや~お疲れ様です。
見事に修復されましたね。まさに完全復活!
サウンドホールの修復跡など全く視認できません。
思わずリペア前の写真と見比べてしまいました。
角度調整のネックリセット等難易度の高いリペア
てんこ盛りでとっても見応えありました(笑)
  1. 2015/05/23(土) 11:03:50 |
  2. URL |
  3. travispitz #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

travispitzさん、いつもありがとうございます!

喜んで頂いて私も嬉しいです。いろいろと大変なリペアーでしたが、上手くいってホッとしています。
ギターを最初見た時、これは大変だと思うより、絶対に修復してみせるという気持ちの方が強かったですね。
いろいろと勉強にもなりました。少しでもお役に立てたのならば幸いです。
  1. 2015/05/23(土) 23:05:05 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

楽しく拝見しています

奥村様
異国の地で活躍していらっしゃる邦人には、いつも敬意を表しています。
「ネックブロックの破損」シリーズは、大変興味深く拝読いたしました。Guildファンなものですから。。
さて、Guild F-50 BLDと言えば、かなり高額なギターですよね。70年代ですと、25万円前後します。Martin D-28も真っ青という感じです。
にもかかわらず、裏板と側板が合板だったというのは意外でした。今のF-50は裏板だけが合板のようですが。
裏板と側板が合板だとしたら、このような大修復にどの程度の意味があるのか、、、、と考えてしまいます。
もちろん、人それぞれですから、今回の所有者の判断に疑問を感じるということではありません。「自分だったら。。。」ということです。
そんなことを考えることができたのも、奥村さんがこうして公開してくださったからこそ。
今後とも楽しみにしています。
  1. 2015/05/24(日) 14:11:50 |
  2. URL |
  3. みみずく #Ukt/.ibU
  4. [ 編集 ]

Re: 楽しく拝見しています

みみずく様、コメントありがとうございます!

私のブログを読んで頂いているということで、誠に感謝しています。私も側板と裏板が合板と判った時にはビックリしました。表板の場合は、サウンドホールの側面を見れば単板か合板か見分けがつくのですが、側板と裏板となるとなかなか難しいものです。所有者はギターの音を大変気に入っており、お金が掛かっても修復して欲しいということでした。このギターと同時期に、別の方の Guild F-50 BLD をリペアーしたのですが、その方もギターの音を気に入られてました。私はつくづく思うのですが、人間には思い込みというものがあり、良いギターと思って弾いていると、音が良く聞こえるのかもしれません。音色にはそれぞれの好みがあり、一概にどの音色が最高というのは難しいと思います。と言うことで、いろいろと勉強になったリペアーでした。
それではこれからも宜しくお願いします。

  1. 2015/05/24(日) 16:20:45 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

日本が世界に誇れるルチア―です!

素晴らしいの一言!私も手元の修復してほしいギター(フラメンコとエレキ・・・ベン作!^^)
お願いしようかな、って日本からUKまで送料いくら掛かるの?って話ですね。
NHKで特集組んでくれないかな?と思う位の感動がありましたよ。

ギタリストの方、ピッキングが柔らかいのでメディアム・ゲージなんでしょうね?
老婆心ながらギターの酷使を思うとライトでもいいような気もするのですが。

合板の場合、センター材は例えばスプルース/マホ/スプルース・・・マホが標準なのでしょうか?
合板と聞くと安物イメージがつきまといますが、Gibson箱もの極上品 L-5 super400も合板ですからね。

寄る歳波には勝てず、最近は弦交換ですら億劫になる毎日です。1年前の弦で弾いてます。
歳を取ると、手の平にそれほど汗をかかなくなりますので弦が錆びなくなりました。コレ実話です^^
  1. 2015/05/28(木) 05:19:05 |
  2. URL |
  3. アリゾナ #2DdjN05.
  4. [ 編集 ]

Re: 日本が世界に誇れるルチア―です!

アリゾナさん、返信が遅れてすみません。なんかいろいろと忙しくしていました。
そしてコメントありがとうございます!本当に出来ることならアリゾナさんのギターも修理したいです。

私もギターの酷使を考えると、ライトゲージが良いのではと思うのですが、やはりこればかりは本人の好みなので、言われたようにするしかないですね。

合板ということで驚きましたが、仰るとおり、ギブソンのアーチトップも合板が多いですよね。最近リペアーしたギブソンのES135も合板でした。
  1. 2015/06/04(木) 23:35:19 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

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奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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