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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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Santa Cruz Tony Rice モデル ヘッド横の修復

Santa Cruz Guitar Company のイギリスでの専属リペアーマンになったことは、最近の記事、「Santa Cruz Guitar Company のイギリスでの専属リペアーマン!!」の中でもお知らせしました。ということで、今日は最近の修理した、Santa Cruz Tony Rice モデルの話です。

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このギターにはいくつかの修理を行うのですが、今回はその中の一つを紹介したいと思います。

ギターの持ち主の話によると、自分の息子さんにこのギターを貸したところ、ストリングワインダー(弦巻き機)でヘッドの横に大きな傷を付けられたそうです。それが下の写真です。

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かなり酷いですね。おそらくストリング・ワインダーがヘッドの側面に触れていることを気付かずに回したのでしょう。塗装が剥がれ、ヘッドの角の一部分は木が欠損しています。

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ヘッドの塗装はニトロセルロースラッカーですが、表は艶あり、側面と裏は艶消しになっています。よって塗料は艶消しのニトロセルロースラッカーを使用します。まず塗装が欠損している箇所にブラシを使って新しい塗料を塗ります。最終的にはスプレーガンでラッカーを吹き付けるのですが、欠損している箇所に、ある程度の厚さのラッカーを塗って他の部分と同じ厚さにしなければなりません。

ギターの持ち主には完璧にはならないと伝えてあります。と言うのは、木自体が欠損している箇所があるからです。特に角の部分です。塗装を厚くして他の部分と同じレベルにすることも可能ですが、それを行うにはかなりの時間が掛かるため、持ち主と話し合いの結果、そこまでは行わないことにしました。

ラッカー塗料をシンナーで薄めずに塗る場合のトラブルは、塗料の中に小さい気泡が出来ることです。塗料が乾燥してサンディングすると、気泡の穴として残ります。それを最小限に抑えるように塗り重ね、新しい塗装箇所が他の部分と同じ厚さになったら、側面全体をスプレーガンを使って塗装します。下の写真はスプレーガンを使って塗装しているところです。ヘッドの表と裏はマスキングしています。

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ラッカーを数コート重ね塗りし、表面が全体的に平らになったと思っても、塗装が欠損していた箇所の塗装は、翌日には沈んでしまいます。ラッカーは完璧に乾燥するには時間が掛かるのです。

表面をウェットサンディングして平らにし、再びスプレーガンで塗装を行います。最終のサンディングやバフィングの研磨を行うには、1ヶ月程の乾燥期間が理想ですが、持ち主が早く仕上げて欲しいと言うので、、乾燥期間を3週間にしました。

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表面のウェットサンディングと塗装の吹き付けを繰り返し、3週間乾燥させました。その後、最終のサンディング、バフィング等を行い、艶消しの塗装に仕上げました。角は木自体が欠損しているため、ちょっと凹んだ状態になっています。これは持ち主との話し合いの結果、あまり時間を掛けないということになったからです。

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かなり満足にいく結果となりました。ギターの持ち主は期待以上の出来栄えだと感動してくれました。ここまで修復出来るとは思っていなかったそうです。嬉しい言葉ですね。正直言って、塗装は大変な仕事ですが、結果が上手くいくとかなり嬉しいですね。ギターの持ち主には、もう息子さんには貸さないようにと伝えておきました(笑)。

このギターの修復はこれだけではないので、もしかしたら別の機会に紹介するかもしれません。



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  1. 2015/05/23(土) 22:22:54|
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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