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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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K & K のピックアップ、Pure Mini をインストール

以前、サドル交換やフレットの擦り合わせをした Santa Cruz Guitar CompanyD Pre War が再び私の工房へ持ち込まれました。今回は修理ではなく、ピックアップの取り付けです。

3115.jpg

取り付けるピックアップは K&K SoundPure Mini です。実はこのピックアップをずっと前から取り付けてみたいと思っていたのですが、今回やっと実現することになりました。ギターの持ち主の話では、どのピックアップが一番良いのか Santa Cruz Guitar Company に直接問い合わせたそうです。それで推薦されたのが、この K&K のピックアップでした。

アコースティックギターの音の拾い方には何種類かあり、サドルの下に敷くアンダーサドル・ピックアップ、サウンドホールに取り付けるマグネット・ピックアップ、サウンドホールで弦の振動を拾うマイク、そしてボディー内のブリッジプレートに取り付けるピックアップなどです。どこで音を拾うのが一番良いのか、というのは個人の好みだと思うのですが、私の好みはどちらかと言えば、ブリッジプレートに取り付けるピックアップです(もちろん、他の場所もそれなりに良いとは思います)。K&K のピックアップはそのブリッジプレートに取り付けるピックアップだし、かなり良いという噂は聞いていたので、ずっと取り付けてみたいと思っていました。

ピックアップの取り付けはよくやるのですが、週一回リペアーをやっているギターショップ、Ivor Mairants の親会社(John Hornby Skewes & Co Ltd)が Fishman Pickup のイギリス総代理店であるため、私が普段取り付けているピックアップは9割以上が Fishman のピックアップです。時々他のメーカーのピックアップも取り付けますが、K&K はまだ一度もありませんでした。

3116.jpg

ピックアップの箱の中には、エンドピン・ジャックに直接繋がった3つのピックアップ(パッシブ・ピックアップ)、取り付け説明書、取り付け治具が入っていました。

パッシブ・ピックアップと書きましたが、ピックアップにはパッシブとアクティブがあり、K&K の ピックアップはパッシブです。パッシブとアクティブにはそれぞれ長所と短所があるのですが、ここではそれについては詳しく書くつもりはありません。簡単に言えば、パッシブはピッキングのニュアンスを素直に出してくれると言っておきましょう。パッシブとアクティブの簡単な違いと言えば、アクティブにはプリアンプが内蔵してあり、電池(電源)が無いと、電気信号を出力することが出来ません。よって、アクティブの場合は、電池ボックスが付いているはずです。

K&K Pure Mini の場合はパッシブ・ピックアップなので、電池切れの心配をする必要がありません。それにピックアップをブリッジプレートに貼るだけなので、エンドピン・ジャック以外は穴を開ける必要は無いし、サドルの高さを調整する必要もありません。アンダーサドル・ピックアップの場合は、サドル溝を深くしたり、サドルの底を削ったりする必要があるので、弦高調整がちょっと面倒になります。

私が K&K のピックアップに興味があった理由の一つに、ピックアップをブリッジプレートに貼り付ける時に治具が必要になるということでした。どういう治具なのか楽しみにしていたのですが、その治具も箱の中に入っていました。

3117.jpg

まずエンドピン・ジャックの穴開けから始めます。元々付いているエンドピンが外れない場合、エンドピンの頭を切り取り、ドリルビットの直径を徐々に大きくしながら穴を拡大していくのですが(いきなり大きくするのは危険)、このギターの場合、エンドピンが簡単に外れたので、ハンドドリルは全く使わず、リーマーを使って穴を拡大しました。穴の直径は 1/2 インチ(12.7ミリ)です。

3118.jpg

さて、いよいよ治具を使ってピックアップの取り付けです。3つのピックアップは、それぞれサドルの真下に貼り付けます。高音域のピックアップはサドルの1弦の真下、中音域のピックアップはサドルの3弦と4弦の間の真下、低音域のピックアップはサドルの5弦と6弦の間です。高音域のピックアップだけ、1弦と2弦の間ではなく、1弦の真下になっているのは、おそらくバランス的にその場所が良いのでしょう。

下の写真は、まず高音域のピックアップの取り付けのために治具を取り付けたところです。透明のアクリル板をサドルの上に置き、1弦のブリッジピンの穴に白い棒、そして3弦の穴にはゴルフ・ティーを差し込みます。

3119.jpg

1弦のサドル上に丸めたパテを置き(すみません、写真を撮り忘れました)、そのパテの上にピックアップをくっ付けます。

3120.jpg

ピックアップのブリッジプレートに貼り付ける面に、瞬間接着剤を塗ります。瞬間接着剤は液状のものではなく、ゼリー状のものを使います。瞬間接着剤を使うのが嫌な場合、両面テープも使えるように用意してあるのですが、両面テープだと、出力やトーンが30%ほど小さくなるそうです。

3121.jpg

ピックアップに瞬間接着剤を塗りました。

3122.jpg

ゴルフ・ティーを3弦のブリッジピン穴と透明のアクリル板から取り外し、白い棒はアクリル板に付けたまま、1弦のブリッジピン穴から取り外します。そして白い棒とアクリル板をサウンドホールからボディー内部に入れ、白い棒をボディー内から1弦のブリッジピンの穴に差し込みます。それからゴルフ・ティーを3弦のブリッジピンの穴に上から差し込みます。

3123.jpg

ボディー内のアクリル板のピックアップ部分を指で数十秒間押さえます。下の写真でも分かるように、ピックアップはサドルの真下に接着されます。ここで気付いたことですが、接着させる時、ピックアップをあまり強く押さえないことです。強く押さえるとパテが潰れ、ピックアップがズレて接着されてしまいます。

3131.jpg

下の写真のように、接着後、治具を取り外すと、ピックアップがしっかりと定位置に固定されます。パテが残っていますが、後で取り除きます。

3124.jpg

中音域、低音域のピックアップもそれぞれ同じ方法で接着します。高音域のピックアップとは違い、弦と弦の間に固定させます。

3125.jpg

3126.jpg

エンドピン・ジャックのカバーを外して配線を確認してみました。ピックアップの3本のホット線はホットの端子に、3本のアース線はアースの端子に繋がっていました。もちろん当たり前のことなんですが、一応自分の目でも確かめたかったので、カバーを外してチェックしました。

3127.jpg

3つのピックアップ取り付け後、エンドピン・ジャックを取り付けました。

3128.jpg

ギター内部はご覧のとおりです。

3129.jpg

ピックアップの取り付け終了です。

3130.jpg

良い音してますよ。音の好き嫌いには個人差があると思いますが、私は好きな音です。アンダーサドル・ピックアップよりも温かみがあって、こっちの方が個人的には好きですね。あとパッシブ・ピックアップの利点は、電池切れを気にする必要がないことですね。

今までずっと取り付けてみたいと思っていたピックアップの取り付けが出来て良かったです。これからもいろんなピックアップを取り付けたいですね。



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  1. 2015/07/06(月) 08:00:54|
  2. ピックアップ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<こっ、これはないやろ?! | ホーム | 偽 Martin D-45 のその後>>

コメント

K&Kは素直な音ですね。

ただ問題は取り付けるギターを選ぶと言うこと。

スルーブリッジを採用するギター。

ブリッジプレートの無いギター。

ラティス等ブレーシングギター。

K&Kさんにもそのようなギターに対応したPUも・・・
と願っております。
  1. 2015/07/11(土) 00:57:20 |
  2. URL |
  3. 輝 #YMuN7fn.
  4. [ 編集 ]

なるほど♪

バーカスベリー世代の私にはエライ進化したPUSに見えてしかたりません^^!)
  1. 2015/07/13(月) 07:46:29 |
  2. URL |
  3. アリゾナ #RAa2TALo
  4. [ 編集 ]

Re: K&Kは素直な音ですね。

輝さん、いつもコメントありがとうございます!

仰るとおり、K&Kは素敵な音ですね。ウェブサイトを見てみると、ブリッジプレートのないクラシックギター用のピックアップもあるようですよ。いろんなタイプのピックアップを取り付けてみたいですね。
  1. 2015/07/24(金) 23:03:18 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

Re: なるほど♪

そうそう、アリゾナさん。昔はバーカスベリーってありましたね。懐かしいです。
アコギのピックアップはかなり進化しましたね。
  1. 2015/07/24(金) 23:06:35 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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