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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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Epiphone PR350Sのリペアーのお話 その1

私のお客さんからの紹介ということで、ある方から連絡がありました。自分が持っている Epiphone のアコースティックギターを修理して欲しいという依頼でした。ずっと弾いていないのだが、弦高が高く、フレットもかなり減っているので、フレット交換をして調整して欲しいということでした。ただ自分は体が弱く、私の工房まで持って行く力が無いと言われました。私が週一回リペアーを行っているギターショップ、Ivor Mairants までなら持って行くことが出来ると言われたので、そこまでギターを持って来てもらうことにしました。

電話での会話から2週間後の木曜日、そのお客さんが若い男性と2人で Ivor Mairants に来られました。お客さんは松葉杖を突いて現れました。年齢は68才ということですが、かなりやせ細っており、もっと老けて見えました。体が弱いということで、ギターケースを持つことが出来ず、若い男性がギターケースを持って付き添い人として同伴されていたのでした。

まずギターを見てみることにしました。お客さんとしては、フレット交換をしてネック調整をすれば弦高も低くなり、弾きやすくなると思っていたようですが、問題はそんな簡単なものではありませんでした。ネックは弦の張力で前に倒れており、かなり弦高が高くなっています。これはフレット交換とかトラスロッド調整で修正できるものではなく、ネックがボディーとのジョイント部分から前に倒れているので、ネックをボディーから取り外し、ネック角を変えてから再接着するネックリセットが必要です。そのことをお客さんに伝え、ネックリセットに必要な金額を提示しました。するとお客さんはビックリしてこう言われました。

「え?!そんな高額なお金は払えない!自分は今ガンの治療中で、治療費にお金が掛かるんです。」

その答えに私は驚き、それに対して何も言うことが出来ませんでした。しかし、この Epiphone のギターは安価で、ネックが取り外せるネックジョイントになっているかどうか分かりません。ネックが取り外せない可能性もあります。そこで私はある提案をしました。それは…。

下の写真がお客さんが持って来られた Epiphone PR350S です。それでは一枚一枚説明しますね。

3346.jpg
かなり弾き込んであるギターです。全然手入れがされておらず、かなり汚れていました。これは安価なギターで、韓国製です。

3347.jpg
ヘッドですが、かなり汚れていますね。

3348.jpg
ボディーもかなり汚れていました。

3349.jpg
指板は長年の演奏により、指が当たる部分がえぐれています。

3350.jpg
フレットもかなり磨り減っており、フレット交換が必要です。

3351.jpg
弦高はかなり高く、通常の2倍ぐらいの高さがあります。

3352.jpg
サドルの高さはこれだけありますが。弦高を通常の高さにすると、サドルは殆ど無くなってしまいます。

3353.jpg
ネックも真っ直ぐさやネック角はヘッド方向からチェックします。逆方向から見る人がいますが、それではネック角のチェックは出来ません。写真では分かりづらいかもしれませんが、ネックがネックジョイント部分から前に倒れているので、ジョイント部分から先は上を向いています。つまり、くの字型になっているということです。通常ならば、ネックリセットが必要です。

3354.jpg
ネックのヒール部分ですが、ネックとボディーを接着してから塗装されています。塗料はポリウレタンだと思われます。ネックを取り外す場合は、ジョイント部分の塗装に切り込みを入れないといけませんが、もしかしたら、これはネックが簡単に取り外せないかもしれません。安価なギターには多いですね。

ネックリセットをする予算は無いし、ネックも外せるかどうか分からない、おまけにギターの値段より高い修理費になるということで、ネックリセットはやらないことになりました。他の方法を使って修理します。修理費もネックリセットの半分の値段で行うことにしました。さて、どうするのでしょう。

それでは次回をお楽しみに。

つづく。


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  1. 2015/11/17(火) 00:10:42|
  2. リペアー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<Epiphone PR350Sのリペアーのお話 その2 | ホーム | Bourgeois Guitars の紹介>>

コメント

また宿題ですか?^^

ううむむむ(ーー!)
アイロンは元起きには使えないので・・・分かった!ヒールに鋸を入れてネックを
ジョイント部から折り曲げ接着剤を流し込み、ヒール部からネックブロックにロング
ビスを捻じ込みダボを埋めて色合わせをしておしまい!私がやった荒治療方法の
一つですが師匠の腕で行えば完璧ですね。正解の自信度100%!^^!
  1. 2015/11/17(火) 06:43:53 |
  2. URL |
  3. アリゾナ #kpjYxc8I
  4. [ 編集 ]

いやいや待て待て^^

費用が半分・・・というのが引っ掛かります。フレット交換は必需、
となるとフレット抜いて指板をナット側に斜めに削り落としかな。
いずれかしかありません^^ 費用が高くて良いならユリ・ゲラー
に超能力で曲げてもらいます。
  1. 2015/11/18(水) 04:25:57 |
  2. URL |
  3. アリゾナ #kpjYxc8I
  4. [ 編集 ]

Re: また宿題ですか?^^

おっ、アリゾナさん、凄い自信ですね(笑)!近いかも!
  1. 2015/11/22(日) 11:00:17 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

Re: いやいや待て待て^^

お〜、アリゾナさん、これが近いかも!答えはもうすぐです。
  1. 2015/11/22(日) 11:03:40 |
  2. URL |
  3. 奥村健治 #-
  4. [ 編集 ]

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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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