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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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1937年製 Gibson L-00 の塗装リペアー その4

前回の記事、「1937年製 Gibson L-00 の塗装リペアー その3」の続きです。

たいへん長らくお待たせしました。塗装以外の全ての修復を終え、やっと塗装修復に入ります。

まずピックガード上の網目のキズの修復です。最初に写真だけを見た時は、もしかしたら塗装下の木までキズが入っているのかなと思ったのですが、実物も拡大鏡で見ていると、殆どのキズは色の上のクリアーだけで、色や木にまでは到達していないことが分かりました。

キズにより白くなったクリアーの部分をシンナーで溶かしてクリアーにし、それからニトロセルロース・ラッカーの液をそのキズの部分に塗ります。

3463.jpg

まずシンナーでキズを溶かします。ラッカーのクラックの大きい箇所など、シンナーを塗ってもすぐには透明にならないところは、アートナイフである程度クラックしたラッカーを除去してからシンナーを塗ります。

3464.jpg

ある程度キズにシンナーを塗って透明にしたら、ニトロセルロース・ラッカー液を塗ります。ラッカー液は全く薄めず塗ると、ラッカーの層を早く厚く出来るのですが、難点はラッカー液の中に小さい気泡が出来ることです。拡大鏡を使わないとその気泡は見えないのですが、塗装の乾燥後、サンディング、バフィングなどをして最終仕上げをした時、ちょうど塗装の表面に気泡が現れた場合、その小さな穴は(英語では pinhole と呼ばれている)肉眼でも見えます。なるべく pinhole が発生しないように、ラッカー液はシンナーで半分に薄めて使用します。

3466.jpg

表板の表面の高さよりも盛り上がるようにしなければならないのですが、一回では無理なので、ゆっくりと重ね塗りをしてビルドアップさせます。

3465.jpg

3467.jpg

ついでですので、他の場所のキズも修復することにしました。下の写真の3つのキズは結構大きかったので、キズになったクリアー塗装をある程度アートナイフで取り除いてシンナー、ラッカー液を塗りました。

3468.jpg

ボディーの下の方にあるキズも修復します。

3469.jpg

濃い色を塗ってからラッカー液を塗りました。

3470.jpg

下の写真に写っているキズは、まず下にアンバー(琥珀色)を薄く塗ってからラッカー液を塗りました。ラッカー液を塗ると色が濃くなるので、色合わせは難しいです。

3471.jpg

色合わせはなかなかパーフェクトにはなりませんが、ギター自体が古いので、ビンテージ感を出すにはパーフェクトではない方が良さそうです。

3472.jpg

数日間掛けてラッカー塗りが終了しました。

ラッカーはすぐに乾燥しますが、その後ゆっくりと時間を掛けて収縮しますので、サンディング、バフィング、ポリッシュを行うには4週間程待たないといけません。ギターのセットアップは完全に終わっていますので、お客さんには一旦ギターを持って帰ってもらい、4週間後に再び工房に持って来てもらうことにしました。

3473.jpg

3474.jpg

ラッカー液が完全に乾燥してから塗装の修復を完成させます。それではまだ続きますので、次回をお楽しみに。

つづく。



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  1. 2016/04/13(水) 00:53:51|
  2. リペアー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

頂きました♪

師匠の無料公開リペア術を拝借致しました^^
何故か手元にラッカー原液とシンナーがあるんです。
ベン・ギターの塗装欠けを直しちゃいますかね。
  1. 2016/04/13(水) 04:11:29 |
  2. URL |
  3. サルタンスイング #DL0dExLA
  4. [ 編集 ]

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  1. 2016/04/14(木) 03:06:23 |
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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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