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奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン

ロンドン在住の個人製作家によるギター製作ブログ

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1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その6

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前回の記事「1953年製 Gibson J-50 の大掛かりなリペアー その5」の続きです。

前回のネックの取り外しでは、やはり懸念していたとおり、ネックヒールに入っていた亀裂が完全に割れ、ネックヒールの後ろの部分が外れないままネックが外れました。残ってしまったネックヒールを外すのは至難の業です。Gibson はネックヒールの底の部分もサイドに接着されており、残ったネックヒールを左右に動かすことも出来ないので、たとえ熱い蒸気を接着部分に注入したとしても、後ろから押すだけでは外れそうにありません。

3685.jpg

ここでちょっと余談になりますが、この前もお話ししたとおり、7月下旬にパブでバッグを盗まれてしまいました。バッグの中には iPad も入っていて、その中には数百枚のギターの写真が入っていました。ちょうどこれから取り掛かるダブテイルに残ってしまったネックヒールの取り出し作業の写真も含まれていました。ということなので、どうやって取り出したかは文章で説明しますね。

ネックを取り外すには、ネックとボディーが接合されているダブテイルの下の隙間に熱い蒸気を注入し、接着面の接着剤を柔軟にします。そして接着剤がある程度柔らかくなった時点でネックを左右に動かし、同時にネック取り外し専用の治具を使って後ろからネックを前方に押し出します。ネックを後ろから押し出すだけでは不十分で、ネックを左右に動かすのは必須です。特に Gibson のギターは頑固で、Martin のギターのように簡単には外れません。

ネックヒールの底とボディーの接着面にナイフを入れて分離し、蒸気を注入して後ろから押し出すことを試みましたがビクともしません。かなり高温の蒸気をずっと注入し続けると、ギター自体に損傷を与えてしまうので、これ以上は無理だと判断し諦めました。

さて、どうしましょう。いろいろと考えた末、次のことを行うことにしました。それはダブテイルの凸の部分を 3分の2 を削り取ってしまうことです。全部削り取ってしまえば簡単に外れるのでしょうが、3分の1 残すことによって、ネックヒールが外れた後、削り取った部分を再生しやすくなります。残った部分が多いほど形状を整えやすいのです。もちろん、補強もします。接着面が 3分の1 に減れば外れやすいと判断しました。

ノミを使って 3分の2 を削り取った後、再度蒸気を注入しながら治具を使って後ろから押してみました。すると…

「外れた!!」

外れました!飛び上がるくらい嬉しかったです。もう後に戻ることは出来なかったので、本当にホッとしました。

3686.jpg

3687.jpg

3688.jpg

ご覧のように(下の写真)、ダブテイルの凸の部分は少し残してあります。ここに新しいピースを接着して再生させます。

3689.jpg


指板を切り落とし、ネックヒールも割れ、そしてダブテイルも 3分の2 削り取ってしまった最悪の状態になりましたが、これから修復に取り掛かります。それでは次回をお楽しみに。

続く。



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プロフィール

奥村健治

Author:奥村健治
アメリカでギター製作を学び、現在イギリス・ロンドンにてアコースティックギター製作に励んでおります。長崎県佐世保市出身

Santa Cruz Guitar Company, Bourgeois Guitars, Lowden Guitars の英国でのリペアーマンもやっています。

www.okumuraguitars.com
www.okumuraguitars.tumblr.com
https://twitter.com/okumuraguitars
https://instagram.com/okumuraguitars/

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